エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Shutendoji Episode Four ~Finale~」(2021 年 3 月 放送)

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 酒呑童子は言いました。

 

「酒のつまみを、もってこい。」

 

 そして、彼の使いが人の脚と腕を持ってきました。頼光は食べました。他の者もそうしました。酒呑童子は驚きました。頼光はその時言いました。

 

「酒があります。これをどうぞ。」

 

 魔法の酒は旨く、酒呑童子を楽しませました。酒呑童子は言いました。

 

「私には、愛らしい少女どもが居る。私は、彼女らにもこの酒を飲ませてやりたい。」

 

 池田中納言の娘と、そのほかの少女達が部屋に通されました。彼女達も魔法の酒を飲みました。頼光はそのほかの鬼に向かって言いました。

 

「この特別な酒を、我々と一緒に飲んでください。」

 

 しばらくして、酒呑童子は大層多くの酒を飲み、酔いが回りました。酒呑童子は6人の男達と少女達を残して、彼の座敷に眠りに行きました。そのほかの鬼達も、眠りに着きました。

 頼光は少女達に言いました。

 

「我々は鬼を討伐するため、そしてお前達を家に返すためにここに居る。酒呑童子が寝ている場所を教えてくれ。」

 

 少女達は大変に喜び、言いました。

 

「これは夢に違いない。もちろん、私たちはそこに案内致します。」

 

 そうして、6人の男達は彼らの鎧、武器を箱から取り出して身につけ、戦う準備をしました。

 少女達は男達を寝ている酒呑童子のところまで連れて行きました。それは今では違う姿に見えました。髪は赤く、頭部から2本の角が伸びていました。長い髭を持ち、手足は熊の物の様でした。そのとき突然に、3柱の神様が現れました。

 

「我々がここに居る。我々は、酒呑童子の手足を部屋の角にそれぞれ縛りつける。酒呑童子は、動くことができないであろう。」

 

 6人の男達は神様達にお礼をいい、鬼に切りかかりました。酒呑童子は目を覚まして叫びました。その声は雷鳴のようでした。しかし、6人の男達は酒呑童子より強かった。頼光は鬼の首を切り落としました。そのとき首は空に飛び、頼光に噛みついてこようとしました。しかし兜が彼を、護りました。

 戦いののち、頼光はついに酒呑童子を討ち取りました。そのほかの鬼達は彼らの主が討伐されたのを見て男達に打ちかかってきましたが、それらも全て討たれました。

 頼光は牢獄まで行き、大声で言いました。

 

「少女達よ!すぐに出ろ!。もう恐れる物はなにもなくなった!」

 

 沢山の少女達が牢獄をでて頼光に会いました。彼女達はまるで祈るようにお互いの手を、握りました。6人の男達と少女達はすぐに白を後にし、山を降りました。すぐに、酒呑童子が討伐されたという情報が都に届きました。

 多くの人々が6人の男達を歓迎するために男達の家に集まりました。池田中納言と彼の妻は娘に再び会うことができて、幸せに満たされました。天皇は労いの言葉を頼光に与え、6人の男達に多くの褒美を与えました。皆は頼光とその従者たちを永劫に、英雄とみなしました。

 

おわり。

 

「Shutendoji Episode Three」(2021 年 3 月 放送)

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 頼光と彼の従者は、酒呑童子がどこに棲んでいるのかを少女に尋ねました。少女はとても喜びました。彼女は言いました。

 

「これは夢に違いありません。鬼の城へどのようにたどり着けばいいのかを、私がお話します。」

 

 彼女は説明を始めました。

 

「この川をお上りください、その後、鉄の門をあなた方は見るでしょう。そこには何匹かの鬼の門番がいるはずです。あなた方はその鬼達を避ける方法を見つけねばなりません。門の内側に入った際には、財宝に彩られた城を見ることになりましょう。酒呑童子は昼も夜も酒をのんでいます。また、4匹の鬼に見張られた牢獄もあります。少女達はそこに居ます。その見張りの4匹はとても強いと私は聞いています。酒呑童子は背が高く、子供のような短い髪と赤い皮膚を持っています。昼の間は人間の様で居ますが、夜の間はそれは変わります。酒呑童子は、恐ろしくて私には説明できない何者かに、変化します。酒呑童子を退治してください!。」

 

 頼光と彼の従者は川に沿って歩き、そして鉄の門を見た。門番は6人の男達を見て思いました。

 

「我々はしばらくの間、人間共を喰っておらん。さて、彼奴らを喰おうか!。」

 

 しかし、門番の一人が言いました。

 

「我々は大王様に報告すべきだ。もし大王様の許可が在ればそのとき我々は、彼奴らを頂戴するとしよう。」

 

 そうして、門番は酒呑童子に報告しに行きました。酒呑童子は言いました。

 

「ふむ。面白い。私は彼らに会ってみたい。彼らをここへ、通せ。」

 

 6人の男達は部屋に連れてこられました。嫌な匂いのする風が吹き、稲光がひかり、雷鳴が轟きました。酒呑童子は、現れました。それはほんとうに大きな、赤い皮膚を持つ、鬼でした。酒呑童子は、絢爛たる柄の着物を纏っていました。酒呑童子は言いました。

 

「鳥や獣でさえ、ここへは来ない。なぜここにお前達が居るのか、言え。」

 

 頼光は答えました。

 

「我々は山伏です。我々は山にて修行します。我々は出羽国の出身の者ですが、大和国吉野山にて修行していました。我々は都に行きたかったのですが、道に迷ってしまいました。大王様にお目見えすることができるとは思ってもみませんでした、童子様。しかし、万物全てのものには理由があると言います。少しの間私どもの体を休ませていただけないでしょうか?。我々はいくらか酒を持っています。大王様と一緒にこれを飲みたいと切望します。今晩は飲み明かしましょう。」

 

 酒呑童子はこれを聞き、言いました。

 

「お前達は危険な者たちではないようだ。こちらへ参れ。」

 

 そうして、6人の男達は近くに寄りました。

 酒呑童子は、彼らを試そうと思いました。酒呑童子は言いました。

 

「我々にも、いくらか酒がある。おいおまえ!、お客様に酒を持て。」

 

 1匹の鬼が答えました。

 

「はい、大王様!。」

 

 そして鬼が、酒のように少女の生き血を、杯に注ぎました。酒呑童子は頼光に差し出しました。頼光は生き血を飲み干しました。酒呑童子はそして言いました。

 

「次の者に、杯を。」

 

 そうして、次の者は杯を受け取りそれをまた、飲み干しました。

 

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