むかしむかし、小さな村にて、老いた農夫と彼の妻が暮らして居ました。彼らは一所懸命にたんぼで働きました。そして、二人は一緒に居て、とても幸せでした。しかし、彼らが本当に欲しいものが一つだけありました。老いた夫婦は、子供が欲しかったのです。
毎日、働く前に彼らは田の神に祈りました。
「お願いします、子をお授けください。どのような子でも、問題はありません。人の子で無くても良いのです。田螺の子でさえ、大丈夫です。」
ある日、老夫が田んぼで働いていると、声を聞きました。
「お父さん!、お父さん!。」
老夫は辺りを見廻し、そして、田螺を見つけました。
「僕はあなたの息子になりたいのです!。」
老夫は驚きました。
「これは田の神さまからの子供に違いない!。」
そうして、彼は家に田螺を連れて帰りました。老夫と彼の妻は木のお碗に水を満たしました。それは、田螺が中で暮らすためのものでした。彼らはその碗をその家の一番良い場所に置きました。それは神棚の前でした。彼らは新しい息子に、良い世話をしました。田螺はたくさん食べました。彼は小さなままでしたが、しかし丈夫な貝に成りました。
何年かが過ぎました。老夫と彼の妻は大層老いました。ある日、老夫はお金持ちのお屋敷に行かなくては成りませんでした。老いた夫婦は、彼の土地で毎年育った米のうちの幾らかを、お金持ちに貢がなくては成らなかったのです。
しかし今年は、お金持ちのお屋敷に米を持っていくのはとても難しいことでした。老夫は馬にうまく乗るには老いすぎていました。 その時、田螺が言いました。
「僕を育ててくれて、ありがとう。お二人はとてもよい両親です。今日から、僕がそのお金持ちに米を毎年、運びます。馬の背中に僕を乗せてください。」
老夫とその妻は田螺を馬の背中に乗せました。田螺は賢く馬を操り、すぐにお金持ちのお屋敷にたどり着きました。
老いた夫婦は、いつのときでも彼らの息子の話をして居ました。それ由、お金持ちは田螺の事は知って居ました。
「やっと会えたか、嬉しいよ。夕食に参加してはくれまいか。」
お金持ちと田螺は、話しに話しました。お金持ちは驚きました。この田螺はとても賢く、面白いのです!。お金持ちは彼のことをとても気に入りました。そうして彼は田螺に、彼の娘の一人との婚姻を頼みました。
まず、お金持ちは彼の一番歳上の娘に結婚してくれるように頼みました。しかし彼女は嫌だと言いました。そして、一番歳下の娘に頼みました。彼女は言いました。
「私は彼と結婚します。お父様。」
田螺の家にて。老夫婦はこの事をきいて大層驚きました。婚姻の日、お金持ちの、美しい娘は彼女の父親からの贈り物をたくさんもって老夫婦の家に来ました。田螺と彼の両親はとても幸せでした。