むかしむかし、海のほとりの村に浦島太郎という名の若い男が暮らしていました。
ある日、太郎は浜に沿って歩いていました。彼は子供達が小さな亀を棒で叩いているのを見ました。太郎は悪い子供達から亀をとりあげ、亀を海の中に入れました。太郎は亀がまったく見えなくなるまで遠くに泳ぐのを見ました。若い男は亀の無事を、嬉しく思いました。
数日後、太郎は再び浜に沿って歩いていました。その時突然に、大変おおきな海亀が彼の元へ浮き上がり、言いました。
「先日は私の息子を救っていただいて、有難うございました。私は海神さまのお城に貴殿をご招待したく存じます。そこは海底に降りたところです。私は貴殿をお運びします。どうぞ私の背中にお座り下さい。」
太郎は亀の背中に乗りました。そして、彼らは海神さまのお城に深く降りて行きました。お城にて、美しい女性が彼に会うために現れました。それは、乙姫様でした。
お城のなか、太郎はあらゆる美味しい食材からなる素晴らしい夕食を用意されました。彼が食事している間には、色取り取りの魚たちが彼のために舞いました。
乙姫様は太郎に特別な部屋を見せました。彼女は扉を開けました。部屋の中、そこは春でした。綺麗な桃色の花びらの、たくさんの桜の木がありました。部屋の奥には、もう一つ扉がありました。扉の後ろ、そこは夏でした。樹々と草は緑色。次の部屋は秋でした。樹々の葉は火のように赤くありました。最後の部屋は冬でした。雪が降っていました。彼はいくつかの雪片を彼の手の中に得ました。
太郎は素晴らしい時間を過ごしましたが、彼は乙姫様にこう言いました。
「おもてなしすべてに、有り難く思います。しかし、私は家に帰らないとならない刻だと思います。」
乙姫様は言いました。
「分かりました。この宝箱をお持ち帰りください、私達の事を思い出せるよう。しかし覚えておいて下さい。決して、それを開いてはなりません。」
おおきな海亀は太郎を浜へ連れ帰りました。しかし、彼の村が変化している事を彼は知りました。彼は彼の家を探しました。しかしそこには違う家が建っていました。すべての村人も知らない人びとでした。太郎は恐ろしくなり、男に話しかけました。
「この辺りに浦島家は暮らしておりませんか?。」
男はしばらく考えてから言いました。
「ああ、その姓をもつ家族が百年くらい前に、ここに暮らしていたと聞いたことがあるな…。」
太郎は驚きました。彼はどうしたらいいか、分かりませんでした。そうして彼は浜に戻り、考えました。彼は歩いている時に、乙姫様が彼に渡した宝箱のことを思い出しました。太郎は思いました。
「これが、私を助けてくれるかも知れない。」
彼は、決して開けてはならないと彼女が彼に話した事を忘れていました。彼がそれを開けた時、白い煙がその箱から出てきました。
煙が晴れた時、彼の頭が白く変わっているのを、太郎は気がつきました。彼は今では白い髭を貯えた老人でした。