エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Fox and the Otter」(2020 年 7 月 7 日 放送分)

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 むかしむかし、川の近くにある山の上に、一匹の狐が住んでいました。

 ある日狐は川獺に会うために、川へ行きました。

 

「川獺さん、食べるためのいい物、何か持っていない?。」

 

 川獺は親切に、幾らかの魚を料理してそれを狐に与えました。狐はその魚すべてを食べてから、言いました。

 

「次に君が山へ来た際には、僕は君にいい夕食を作るよ。」

 

 後日、川獺は狐の家を訪ねました。

 

「こんにちは、狐さん。君が僕に約束してくれた夕食を食べるためにここに来たよ。」

 

 狐はとても驚きました。彼は川獺が本当に来るとは考えていませんでした。狐はどうしたらいいのか分かりませんでした。そして狐は天井を見上げるだけで、何も言いませんでした。川獺は怒り、家に帰りました。

 

  明くる日、狐は川獺を再び訪ねました。

 

「こんにちは、川獺さん。昨日の事については、悪かったね。僕の家の神さまが僕に、天井を無言で見つめよ、と命じたんだ。だから、僕は君と話すことが出来なかったんだ。」

「そうなんだね。それを僕に伝えにきてくれて、ありがとう。お魚、食べる?。」

 

 狐は彼が満腹になるまで食べ、そうして言いました。

 

「君のために昼食をつくるよ。時々僕の家を訪ねてね。」

 

 それで次の朝、川獺は狐の家に行きました。しかし今回は、狐は静かに地面を見下ろしていました。川獺は怒り、家に帰りました。

 再び狐は川獺を訪ねました。

 

「昨日はごめんよ。地の神さまが僕に、地面を無言でみつめよ、と命じたんだ。」

 

 川獺は今や、狐が彼をからかっているのだと悟りました。しかし狐は彼の企てに気付いていることを知りませんでした。そうして、狐はお願いしました。

 

「今日は君、お魚あるかい?。」

 

 川獺は言いました。

 

「ごめんね、ないんだ。でも僕は君に魚の捕り方を教えてあげることはできるよ。とっても寒い日に川へ向かい、君の尾を水の中に漬けるんだ。そうして、長い時間動かない。君が君の尾を水から取り出した時、君はたくさんの魚を尾に得るだろうよ。」

 

 狐はとても寒い日を選び、川の中に彼の尾を浸しました。

 陽は沈み、川の水はたいへん冷たくなりました。その時突然に、狐は彼の尾になにかが触るのを感じました。

 

「いいぞ、僕は魚を捕まえたんだな。」

 

 狐はよりたくさんの魚を欲しかったので、彼は川の中に尾を漬けたままにしました。

 彼は数時間待ちました。彼の尾はとても重くなりました。

 

「これは大きな収穫だろう!。」

 

 狐は彼の尾を引こうと試みましたが、それは微動だにしません!。彼は振り向いて、大きな驚きを得ました。川は凍りついていました。彼の尾は氷の中でした!。彼は一晩中、動くことが出来ませんでした。

 次の朝、男たちがその狐を見つけ、言いました。

 

「みろ!。あの狐はいつも我々の鶏を食っている奴だ!。捕まえろ!。」

 

 狐は逃げようと試み、彼の尾をほんとうに強く引っ張りました。そのとき、彼の尾は取れてしまいました!。狐は泣きながら、彼の家までずうっと走りました。

 

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