エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Hiroshima」(2020 年 8 月 24 日 放送分)

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(パフォーマンスが終わり)

Ben: ありがとう、みなさん!。

Akito: みなさまが、僕らのパフォーマンスをお楽しみいただけたことを願います!。覚えていてくださいね、僕らはA&Bでーす。

Narration(Ben): ぼくはベン。きょうは、アキトとぼくは広島にいる。ここにはたくさんの観光客がいる。

B: アキト、ぼくらは次にどこに行くべきかな?。宮島とかかな。世界遺産の。

A: うん…。

B: あるいは、野球の試合を観に行くこともできるね。この地のチームはとても人気があると聞いたよ!。

A: 実は、僕には訪れたい場所があるんだ。

B: それはどこだい?。

A: うむ、この近くなんだ。

N(B): アキトは切実に見える。彼は歩き出し、そして僕は彼を追う。すぐに、僕らは小さな石の碑の在る場所にたどり着く。

B: これはなんだい?。

A: この碑は、原子爆弾により死亡したり傷ついた方々への物だ。

B: 僕は平和記念公園の中程に在るあのアーチが記念碑だと思っていたよ。

A: うん。広島市全体にその他多くの碑がある。これは僕の祖母が通学していた女学校へのものなんだ。

B: 君のお婆さまか?。

A: そうだ。君に話していなかったかな?。僕は広島出身なんだ。

B: 本当か?。僕はそれは知らなかったよ!。

A: 僕が子供だった頃、八月六日に毎年ここに祖母と来ていた。七百人近くの人々が祖母の学校で亡くなったと言われている。それは他のどの学校よりも、多かったんだ。

B: それはとても悲しい事だ…。

N(B): 石碑には三人の少女の絵が彫られている。

B: 真ん中の少女は”E=MC2”と書かれている箱を抱えている。どうしてなんだい?。

A: ”E=MC2”は原子力エネルギーを産み出す為に用いられた数式だ。この数式はアルベルト・アインシュタインの相対論から引用されている。毎年、僕の祖母はこの碑の前で祈りを捧げていた。毎回、彼女は涙を流したよ。

B: 君のお婆さまは今でも広島にご存命か?。

A: 彼女は5年前に永眠したよ。

B: それを聞いて、済まない。

A: 僕がストリートパフォーマーになることについて考えていた時、僕の祖母だけが僕の夢を応援していると言ってくれたんだ。その他の皆は企業に就職しろと言った。祖母は言ったよ。

 

「アキト、もしおまえがみんなを笑顔にできるなら、世界がもっと幸せになるね。」

 

 と。物事がそれほど簡単なものでは無い事は僕は知っている。でも困難にぶつかった時には僕は、彼女の言葉を想い出すんだよ。

B: アキト、何故君はこのことを直ぐに話してくれなかったんだい?。僕らは八月六日にここに来る事もできた。

A: 日はさほど重要じゃないさ。

B: どういう事だろう?。

A: 八月六日は恐ろしい日だ、しかし僕らは他の日にあっても、そのことを考えるべきなんだよ。これは祖母が僕に言ってくれた事だ。

B: うん。分かった。彼女のお墓へは直ぐ訪れるつもりかい?。

A: 僕は明日行こうと計画している。

B: ぼくもいっしょに行っていいかな?。

A: うん。でも、それほど面白いものじゃないよ。

B: いいんだよ。僕は彼女のためにお祈りしたいし、挨拶もしたい。

A: 有難う。

B: よし、暗くなってきたぞ。ぼくは今日泊まる場所を探し始めるべきじゃないかなあと思うよ。

A: 僕の実家に泊まろうよ?。

B: それはいい!。ああ、きみのご両親に、ぼくらのために大御馳走を用意してくれるよう、電話するべきだよ。

A: 心配するな、ベン。僕はすでに電話してあるよ。

 

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