エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Chikara-Taro ~Part One~」(2020 年 9 月 放送分)

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 むかしむかし、老人と彼の妻が暮らしていました。とある理由から、彼らはどちらもお風呂に入ったことがありませんでした。彼らはとても不潔でした。

 ある日、老夫は言いました。

 

「わたしたちは年老いた。そして、わたしたちは子供を持たない。わたしたちが持っているものといえば、皮膚の垢くらいなものだ。」

「ほんとうですね。そうして、わたしたちは孤独です。ですから、垢を全部とりのぞいて、それで人形を作りませんか?。」

 

 彼ら二人は垢で赤ん坊の人形を作りました。突然、それは人間の赤ん坊に成りました。彼らは大変驚きました!。その夫婦は彼を力太郎と名付けて、愛情と共に彼を育て上げました。赤ん坊はよく食べ、大きく大きく育ちました。彼は力強い若者に成りました。

 

 ある日、力太郎は言いました。

 

「父さん、僕は旅に出たい。自分がどのくらい強いのか、見てみたいんだ。」

 

 そして力太郎は彼の手に大きな金棒を持ち、旅を始めました。

 しばらくすすみ歩いたのち、彼は背中に何かを背負って運んでいる男を見ました。それは、5メートルの幅、5メートルの奥行き、5メートルの高さを持つ、木造の御堂でした。その男は彼の背中の御堂で道を塞いでいましたから、力太郎はその男を道の外へ押しやりました。その男は怒り、言いました。

 

「おまえは大変なへまをしたな。私はこの国で一番強い男だ。私の名は御堂太郎。」

 

 力太郎は答えました。

 

「どちらが強いのか、ためしてみようか。」

 

 御堂太郎は力太郎に突進しました。しかし、力太郎は彼をつまみ上げ、高い木に放り投げました。御堂太郎は叫びました。

 

「おい、たすけてくれ、おねがいだ!。助けてくれたら俺は、お前の家来になる。」

 

 御堂太郎は木の上です。力太郎は御堂太郎を助けるため、地面からその木を引っこ抜きました。彼らは一緒に旅を始めました。

 

 すぐに、彼ら二人は大きな岩を手で割っている男を見ました。大きな岩のかけらが彼らに向かって飛んできました。力太郎は口から強い風を吹き、その岩を避けました。その岩は吹き戻り、その男の頭に当たりました。その男はほんとうに怒りました。

 

「おれにこの岩を投げたのはどいつだ?。おれはこの国で一番強い男だぞ!。」

 

 彼は二人に向かって突進しました。しかし、力太郎は彼をつまみ上げ、岩に向かって放り投げました。力太郎はたいそう力強く彼を放り投げたので、その男のあたまは岩にめり込むくらいでした。その男は彼の頭を岩から出そうとしましたが、彼にはそれが出来ませんでした。そして力太郎は岩から彼を抜き出し、彼を家来としました。その男は、彼の名前は石コ太郎であると言いました。彼ら三人は一緒に旅を始めました。

 すぐに、三人は大きな町へとたどり着きました。しかし、街の様子はなにか変でした。道には誰もいません。家々のすべての戸と窓は閉まっていました。

 

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