それは暖かい、天気の良い日だった。狐がその午後を楽しみながら道に沿って歩いていた。その時、狐は大きく茂ったぶどうの蔓とむらさき色をした大きなぶどうの実を見つけた。狐は思った。
「うん、あのぶどうは食べるにはちょうどいい時期だな。たべたい。あれは美味しいに決まっている!。大きくて、みずみずしく見える!」
狐はぶどうを暫くのあいだ見つめた。彼の気持ちの中では、そのぶどうを既に食べた気でいる。しかし問題が在った。そのぶどうは彼のあたまよりも高くに実っている。そこには届かない。彼はすこし考えて、こう思った。
「ぼくは飛び上がることができる。なんで気がつかなかったんだろう?、飛び上がるだけでいいじゃないか。そしたらぶどうが食べられる!」
そうして、狐はぶどうを取るために飛び上がる事を繰り返し始めた。しかし狐はぶどうに届かない。結果、狐は疲れ果ててしまい、座り込んだ。彼はまた考えた。彼は諦めたくなかった。そのぶどうを食べたいと、つよく思っていた。
「ああ、そうだ。ぼくは走れるし飛び上がることができる。飛び上がる前に走ってみたら、もっと高く飛べるじゃないか!、ぼくは賢いぞ!。よし、やってみよう!」
狐は道を後ろにすこしさがり、駆け上がる準備をした。彼は思った。
「よし、いけるぞ。ぼくはぶどうが食べたい!。いち、にの、さん!」
狐は駆け上がり、できる限り高くに飛んだ。彼は空中を飛ぶがやはり、ぶどうに触れる事すらできない。
「もうすこし。ほとんど捕まえている。つぎはいけるぞ。」
狐は何度も試した。しかし届かない。彼は座り込んだ。なんども繰り返し飛び上がり、疲れ果ててしまった。
「もう、これ以上飛べないよ。これ以上の体力は、尽きてしまったよ。」
疲れ果てた狐は、彼の頭上のぶどうを見上げた。彼はそれをとても食べたいなと思った。しかし、高すぎる。そして狐は、異なる考え方をし始めた。
「ぼくはばかだなあ。あのぶどうは甘くないよ、すっぱいに決まっている。みてよほら、むらさき色が濃すぎるしもう、大きすぎる。ああ、ぼくはばかだなあ。あのすっぱいぶどうのために何度も駆け上がることをしてしまった。」
狐は、茂ったぶどうの蔓を後にして、怒りながら去った。
--It is easy to hate what you cannot get.
(得られないものを嫌いになる事は、容易である。)