エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Matasaburo of the Wind Episode One」(2021 年 1 月 放送)

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 村の中に、河のそばにある小さな学校が在った。第三学年だけを除いて、全学年の全生徒が同じ教室で学んでいた。

 それは九月一日の美しい朝であった。二人の生徒が彼の事をまず初めて見つけた。その他の生徒が登校しても、彼が誰かを知る者は居なかった。

 そのとき一郎、第六学年の、が登校した。一郎が聞く、

 

 「どうしたんだ?」

 

 全生徒が校庭に居た。彼らは彼らの教室に座っている赤い毛をした少年を指差している。一郎は彼に呼びかけた。

 

 「おまえは誰だ?、まだ教室には入れない時間だぞ。」

 

 しかしその少年はなにも言わなかった。彼は大きな、灰色の外套と白いズボンと赤い革の靴を身につけていた。そのとき、少年は生徒達に彼の顔を向けた。

 突然に強い風が吹いた。そしてガラス扉が風を受けた。山の木々もが風を受けた。教室の少年は笑っていた。

 嘉助は言った。

 

 「彼は風の又三郎に違いない!」

 

 皆もそう思った。その時五郎が叫んだ。

 

 「痛い!」

 

 耕助が五郎の足を踏んで居た。二人の少年は喧嘩を始めた。

 一郎は再び教室を見た。赤毛不思議な少年は風のように去っていた。その瞬間風が再び吹き、ガラス扉を叩いた。嘉助は怒りながら五郎と耕助に言った。

 

 「二人の所為で彼は去ってしまったぞ!」

 

 暫く後、子供達は彼らの教師が到着するのを見た。そして彼らが驚いたことに、不思議な少年は教師の真後ろを歩いている。

 皆は教室に入り、教師は言った。

 

 「おはよう。私は皆が夏休みを楽しんだことだろうと思う。今日から、二学期が始まります。それは秋の始まりです。勉学にはとても良い季節です。そして、皆には新しい友達が在ります。高田さんです。彼はお父様の転勤の為、北海道から転校してきました。」

 

 嘉助は教師に尋ねた。

 

 「高田さん、の下の名前は何ですか?」

 「彼のフルネームは高田三郎、です。」

 

 嘉助は手を叩いて言った。

 

 「分かっていたよ!、彼は又三郎だ!」

 

 教師が通信簿と生徒の宿題を回収している間、生徒達は彼らの背後に男が立っているのを見つけ、驚いた。彼は大きな、白い背広を着、黒いハンカチーフを彼の首の周りにネクタイのように巻いていた。男は白い扇子で軽く扇ぎながら笑っていた。教師は言った。

 

 「それでは、生徒の皆さん、今日は終わりです。」

 

 そして男の元へ話に行った。

 

 「彼らは直ぐに友達になるでしょう。」

 

 男はお辞儀をして言った。

 

 「有難う御座います。」

 

 そうして、父親と息子は校庭を抜け河を流れの下の方に、家に帰った。風が再び吹いた。

 

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