エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Kojiki - Two Brothers」(2021 年 11 月)

f:id:forenglish:20210420224550p:plain

 

 天照大神の孫、天津彦彦火瓊瓊杵尊は空の下の国を統治するために来ました。そして彼は三人の息子を持ちました。一番目の息子、海佐知毘古は海の近くに暮らし、魚を獲っていました。一方三番目の息子、山佐知毘古は山の中に暮らし、動物を狩っていました。これらの兄弟は彼の父親に与えるための物を探すことで日々を過ごしていました。

 

 或る日、山佐知毘古は彼の兄を尋ねに行きました。彼は言いました。

 

「お互いの道具を交換してみませんか、そうしたら兄さんは山で狩が出来ますし、私は海で漁をするつもりです。」

 

 海佐知毘古はこの思いつきに心から同意出来ませんでしたが、最終的に同意しました。山佐知毘古は彼の兄の釣竿を使えることに大変興奮しました。しかし、彼は全く魚を釣ることが出来ませんでした。さらに、彼は彼の兄の釣り針を失くす事さえしてしまいました。海佐知毘古がこれを見つけた際に、海佐知毘古は激怒しました。

 

「お前がそれを探し出すまで、私は許さない!。」

 

 親切な神が現れた時、山佐知毘古は海辺で泣いていました。その神は山佐知毘古を小舟に乗せ言いました。

 

「この小舟は貴方を海の神の元に届けるでしょう。彼は貴方を助けてくれるでしょう。」

 

 小舟は山佐知毘古を海の中へ降ろし、海の神の宮殿まで運びました。海の神は天津彦彦火瓊瓊杵尊の息子が彼に会いに来たことを光栄に思いました。それで山佐知毘古はたくさんの豪華な食事を振舞われました。更に、海の神の娘と結婚さえもしました。

 

 三年が過ぎました。山佐知毘古は思い出しました。

 

「私は私の兄の釣り針を探さないとならない!。」

 

 海の神は全ての魚を集め、彼らがその釣り針を知って居るかどうかを尋ねました。或る赤い魚が前に来て、その口を開きました。失われた釣り針が中に在りました!。海の神は釣り針と二つの珠を山佐知毘古に渡しました。

 

「ここに特別な珠が在ります。貴方が禍の中に居るときに、これらをお使いください。」

 

 山佐知毘古は彼の兄を見つけるために地上に戻りました。その時、海佐知毘古は稲を育てていました。山佐知毘古は彼の元に行き、釣り針を返しました。しかしその日から、海佐知毘古の田の稲は育たなくなりました。彼は大変な貧困に陥り、そして大変怒りました。

 

「それは全部、山佐知毘古のせいだ!。」

 

 海佐知毘古は軍隊を作り山佐知毘古を攻撃しました。

 

 山佐知毘古には用意が出来ていました。なぜなら彼は海の神から貰った二つの特別な珠を持っていたからです。一つ目の珠を彼が投げた時、大きな波が現れました。海佐知毘古と彼の軍隊は潮の下に消えました。海佐知毘古は叫びました。

 

「弟よ、私が悪かった!。私を助けてくれ!。」

 

 山佐知毘古はこれを聞いて二つ目の球を投げました。その波は魔法のように消え去りました。

 

 海佐知毘古は彼の弟に誓いました。

 

「私が間違っていた。今からは、お前を昼も夜も守る。」

 

 何年かが経ち、海佐知毘古の子孫たちは山佐知毘古の子孫たちを守り続けました。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ