Narration: サダキチは裕福な店の主人に仕えています。週末、サダキチの主人は自分用の味噌を作るために豆を調理しています。
Shop Owner: サダキチ、私の豆の状態を見に行くことは出来るかい?。
Sadakichi: はい。
N: サダキチは台所に向かいます。
Sa: うーむ。豆はいい感じに見えるし匂いも素晴らしい。でもまだ柔らかいかな?。確かめるためにいくらか食べたらいいかもしれない。むむむ!、柔らかくて味はとてもいい。もう少しだけ、食べてみよう。
N: サダキチはもっともっと豆を食べます。彼の主人はどうしてサダキチがそんなに時間をかけるのか不思議に思い、主人はサダキチを見に台所へ行きます。サダキチは未だ食べ続けています。
S O: おい!、私はお前に豆を食べろとは言わなかったぞ!。それの状態を確かめるようにお前に言ったんだ。
Sa: しかし旦那さま。調理できた豆もいくらかありますが、まだ煮えてない物もあります。旦那さまは豆全部が煮えたものをお望み、ですよね?。私は確認しているんです。
S O: そうか、そうか。お前は豆を確かめていたのか。ありがとう。さて、では、この手紙をヤマダさんに持っていってくれ。
Sa: わかりました、旦那さま。
N: サダキチは手紙を持って、去ります。
Sa: 旦那さんが私を信用したぞ!。私はいい役者だな!。
N: 一方、家にて、主人は変わらず台所にいます。
S O: まさかあいつが豆を食べていたとは、信じられない。(くん、くん)この豆はとてもいい匂いがするな。少し試してみよう。むむむ。これは美味しい!。サダキチがこれを食べるのをやめられなかったことが、いま理解できたよ。
N: 主人はたくさんの豆を皿にとります。
S O: ああ、サダキチがもしこの私の姿を見たなら、やっかいな事になるだろう。私は隠れて、それを食べるとしよう。うむむ。二階の部屋で食べようかな、いや押し入れの中かな?。ああ!、いい考えがある!。厠に行って、それらを食べよう。そこでは私を誰も見ないだろう。
N: 主人は厠に入り、豆を食べ始めます。
S O: この豆は素晴らしい味だ!。(くん、くん)しかしここの匂いはひどいな!。
N: すぐにサダキチが戻ります。
Sa: 帰りました!。(静寂)どうも?、家には誰かいますか?。(静寂)ふーむ。家に誰もいない。私はもう少し豆を食べてもいいかもしれない。
N: サダキチは台所の中に行き、幾らか豆を皿にとります。彼はそれを食べ始めますが、しかしその時彼は思います…。
Sa: もし旦那さまが私の事を見たなら、どうなるだろう?。旦那さまは私を叱るだろう。秘密にして豆を食べよう。どこでこれを食べられるかな?。二階の部屋で食べようかな、いや押し入れの中かな?。ああ!。厠に行って、それらを食べよう。そこでは私を誰も見ないだろう。
N: サダキチは彼の豆の皿をもって厠に向かいます。彼はその扉を開き、そして…。
Sa: あーっ!。旦那さま?。ここで何をなさっているんですか?。
S O: 私は厠で用を足しているんだよ!。お前はここで何をしている?。
Sa: 私は旦那さまに、もっと豆をもって来たのです!。