エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Narrow Road to the Far North - Episode 2 - Nikko」(2022 年 3 月)

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 3月の末、私は日光に居た。太古より、山は特別な力を持つと人は信じてきた。この旅に於いて、私は河合曾良、私の俳句の門生の一人、と同行していた。我々は夜を過ごす宿を選んだ。主人は五左衛門と呼ばれていた。彼は私たちに言った。「お二人様、ようこそいらっしゃいませ。お二人が此処に来てくれて嬉しく思います。人はわたしを ’仏五左衛門’ と呼びます。わたしは大変に正直な人物ですから、そのように成ったのだとわたしは思います。それで、お二人は何も心配する必要は御座いません。ゆっくりお寛ぎください。」

 ふむ。私は奇妙なものだなと考えた。正常な人間が自分自身のことをそのように言うものだろうか?。仏陀が人々を救ったように、彼はもしかすると客人を助けるのが好きなのかも知れない。彼は我々の疲れ、汚れた顔、古い旅服を見て哀れに思ったに違いない。それで我々を特別によく扱ってくれたのだ。私は彼をしばらく観察したが、彼は本当に純粋に正直な人物なのだった。私は彼を理解し、嬉しくなった。

 

 曾良の話をしよう。私は彼の師であり、私と共に旅をし、私の世話をしてくれることを彼は決めた。彼は多くの下調べを行ってくれたので、我々の旅路に沿った数多くの重要な、そして美しい土地に我々が訪れる事が叶った。次の日は4月1日だった。曾良と私は山へ登った。有名な仏教の僧侶、空海がここを平安時代初期に訪れ、この地に日光と名付けたという事をわたしは聞いた。多くの人々が今でもこの山を参拝しに訪れる。人々は言う、山を見るだけでも精神が浄化される。そして山に入ることは、身体に活力を漲らせる、と。私は木々の葉の輝きと陽の光を楽しみながら山を歩いた。山は大変心優しく、彼らの贈り物を皆に分け与えてくれた。

 

 なんて素敵な光

 それは若葉を照らしている

 日光の山にて

 

 我々は有名な滝に向け、更にと山を登った。僧がこの聖域に修行する為に集まる。私はこの地を歩いていることに対し、少しナーバスに成った。30メートル上の岩から、その水が落ちていた。大量の水が空中に流れ、そして下部の川に流れた。岩々の中にある少しの空間から、わたしは滝を裏側より見た。そこは大変騒々しく、水が何処かしこに存在した。実際には、本当の僧侶はこの特別な滝で彼らの身体、魂を清め、ここで夏の間の3ヶ月を過ごす。我々は、その修行の短いものを行なっただけである。私はそれは十分なものではないことを知っている。しかし、それはとても良い経験であった。

 

 水の下

 高所からの水の流れ

 夏が初まった

 

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