エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Ugly Duckling ~Andersen's Tale~」(2022 年 5 月)

 

 むかしむかし、池のある農場がありました。ある日、母家鴨は7つの卵の上に座っていました。彼女は彼女の子供である家鴨の仔たちが生まれるのを待っていました。その時、6匹の可愛らしい黄色い家鴨の仔たちが彼らの卵から飛び出しました。しかし、最後の卵は全く動きませんでした。母家鴨は彼女自身に言いました。「うーん。どうしてこの仔は生まれてくるのが遅いのかなと思う。それに、この卵は他のものよりも大きく見えるよ。」

 歳を重ねた家鴨が言いました。「それは七面鳥の卵の可能性がある。以前に農夫が、私の巣に七面鳥の卵を置いたことがあるよ。あなたもすぐに分かるよ。もしそれが七面鳥なら、その仔は泳ぐことが出来ないだろうね。」

 そしてすぐにその卵が動き始めました。そして最後の家鴨の仔が飛び出しました。それは大きく、灰色をしていました。他の家鴨の仔達は言いました。「彼を見ろ。彼はとても醜い!。」「彼は醜い家鴨の仔だ!。ははは!」

 その母家鴨は彼らに静かにするように言い、彼女の子供達を池に連れて行きました。彼ら皆は上手に泳ぎました。「彼は私の赤ちゃんだと思う。」母家鴨は言いました。

 

 何週もが過ぎました。醜い家鴨の仔は育ちましたが、彼は未だ彼の兄弟達と同じ様な見た目ではありませんでした。醜い家鴨の仔とは誰もが一緒に遊びませんでした。ある日に、彼が通常と異なるために彼の母家鴨が泣いているのを、彼は見ることさえありました。そうして彼は農場を逃げ出しました。

 彼は彼が出会ったすべての鳥達に尋ねました。「あなたは私の様な外見をしたどんな鳥でもを、ご存知でしょうか?。」しかし知るものは居ませんでした。

 数日後、ある老女がその醜い家鴨の仔を鵞鳥だと思い、彼を家に持ち帰りました。醜い家鴨の仔は、彼はとうとう自分の家を見つけたのだと思いました。しかし、老女と一緒に暮らす猫が言いました。「もしお前が卵を産めないのであれば、あの老女はお前を喰らうだろうよ!。」醜い家鴨の仔は大変恐ろしくなり、彼が可能な限りの速さで逃げました。

 醜い家鴨の仔は歩きに歩きました。ある日彼は、池の上で休む、長い首を持った美しい白い鳥達を見ました。彼は考えました。「僕が彼らのように成れたらなあ。そうしたら、僕を好きに成ってくれる者も居るかもしれない。」

 

 冬が到来し、雪が降りました。醜い家鴨の仔は寒え、疲労しました。その時、農夫が彼を見つけ言いました。「哀れな家鴨の仔よ。彼は死にそうだ。私は彼を家に連れて帰ろうと思う。」そして醜い家鴨の仔は親切な農夫の家に冬の間ずっと居ました。

 春が来て、農夫は彼を池に連れて行きました。「もう安全だ。家にお帰り。」

 しかし醜い家鴨の仔は帰るべき家を持っていませんでした。ちょうどその時、彼は長い首を持った美しい白い鳥達を見ました。そして彼が驚いたことに、彼らは彼に向かって泳いできました。ある鳥が言いました。「こんにちは。君は新人さんだね。我々の群に入るつもりはないかい?。」醜い家鴨の仔は水面を見下ろし、彼を見返す白い鳥を見ました。彼は白鳥だったのです!。醜い家鴨の仔は今、彼は何者だったのかを知りました。

 

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