エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Edward Jenner」(2022 年 9 月)

 

 病気に罹患した人に近づいた時、病気になることが有ります。私たちはその病気を伝染病と呼んでいます。例えばコロナは伝染病です。地球から伝染病をなくすことはほぼ不可能で在ると言われています。しかし、人類はある一つの伝染病を消滅させたことを皆さんはご存知ですか?。それは天然痘です。天然痘は人に高熱を発症させ、沢山の患者の命を奪います。もし患者が生きていても、天然痘は患者の顔や身体に跡を残します。天然痘は過去 3,000 年のうちにエジプトのファラオ、ラムセス5世やフランスの王、ルイ15世を含む多くの人々の命を奪いました。それは世界で最大の殺人者のうちの一つです。ある人物が天然痘から人類を守る方法を発見し、それを世界に広めました。彼の名はエドワード・ジェンナーです。

 

 ジェンナーはイギリスのバークリーと呼ばれる小さな町に 1749 年に生まれました。ジェンナーが 12 歳の時、彼は医学を学ぶために、医者の元で働き始めました。ある日、搾乳婦がこう言うのを聞きました。

「私は以前に牛痘に罹ったことがあるから、天然痘になることはないだろうね。」

 牛痘は牛から人に感染することがある皮膚病です。しかし、牛痘は天然痘ほどには危険なものでは有りません。ジェンナーはのちに大変重要となるこの搾乳婦の言葉を忘れる事は有りませんでした。1770 年、ジェンナーは有名な外科医、ジョン・ハンターの元で教えを受けていました。ジェンナーはハンターに、牛痘に関するさまざまな質問を尋ねました。ハンターは彼にこの助言を与えました。

「忍耐強くあれ、精確であれ。」

 ジェンナーは 1773 年彼の故郷へ、そこで開業するために戻りました。彼はハンターの教えに従い、天然痘の研究を始めました。彼は、搾乳婦が天然痘にかかる事はないという、子供の頃に聞いたその言葉を覚えていました。そして 1796 年 5 月、ジェンナーは彼の有名な実験を実施しました。彼は牛痘の水疱がその手にある搾乳婦を探しました。彼は牛痘の水疱から液体を幾らか抜き取り、それを 8 歳の少年の体内に入れました。その少年は軽い病気になりましたが、すぐに良くなりました。そうして 2 ヶ月後、ジェンナーは天然痘の水疱から取った液体をその少年の体内に入れました。少年は天然痘には罹りませんでした。ジェンナーは論文を書きましたが、多くの人々はそれが本当のことだとは信じませんでした。それで、彼は同じ実験を他の多くの子どもたちで行いました。ジェンナーはこの治療をワクチンと呼びました。ワクチン接種はついに受け入れられ、世紀の発見となりました。恐ろしい病気から人々を守る安全な方法が見つかったのです。ジェンナーは言いました。

「世界における最も重大な問題のうちの一つの解決に参加することができ、嬉しく思いました。」

 ジェンナーの働きのおかげで天然痘を根絶したと、1980 年に WHO が宣言しました。彼の研究はワクチン接種や、病気を予防するための医学研究の基礎となりました。

 

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