クリスマスの二日後に私はホームズの家に行き、山高帽を眺めている彼を見つけた。
「ホームズ、お邪魔かな?。」
「いいや全く、ワトソン。これは興味深い。」
「それについて私に話してくれないか。」
「どのようにこれがここに来たのか、私に説明させてくれ。警察署長のピーターソンがジグザグに歩く、彼の背に鵞鳥をしょった男を見た。彼が見ていると、その見知らぬ者と他の酔っぱらいが喧嘩を始めた。ピーターソンはそこに駆け寄ったが、その見知らぬ者は彼の帽子と鵞鳥を後に残し、逃げ去った。」
「ピーターソンはその持ち主を見つけられないのか?。」
「それが問題でね。鵞鳥の足にはヘンリー・ベーカーという名のある小さな紙がついていた。この街には数千のヘンリー・ベーカーがいる。それで、ピーターソンは私のところに来たのだ。鵞鳥の方はどうかと言うと、それはすぐに食べるほうが良いに違いないので、ピーターソンはそれを家に持ち帰った。」
丁度その時、ピーターソンが部屋に駆け入ってきた。
「鵞鳥が!。これが鵞鳥の中に在ったのだ!。」
ピーターソンは輝く青い石を差し出した。私は言った。
「それはモーカー伯爵夫人の青い宝玉だ!。」
「そうだ。それは高価な青い石だ。私はその石について新聞で読んだよ。」
ホームズは新聞を拾い上げるとその記事を読み始めた
ホテルコスモポリタン宝石泥棒。若い配管工が価値のある石を盗んだ罪で逮捕された。ホテル従業員、ジェームズ・ライダーは次のように話した。配管工は暖房装置を修理するためにモーカー伯爵夫人の部屋に居た。ライダーはその部屋を離れ、再び戻った時その配管工は居なかった。そして宝石は無くなっていた。と。ライダーは直ちに警察を呼んだ。警察はその夜、配管工を逮捕した。伯爵夫人のメイドは警察に同じ証言をした。配管工は、罪は犯していないと言う。
ワトソン、我々はヘンリー・ベーカーを見つけないとならない。全ての夕刊紙に広告を掲載しよう。それはこう言うものだ。
「グッジ通りで発見。黒い帽子と尾に黒い斑点のある白い鵞鳥。ヘンリー・ベーカー氏は 221B ベーカーストリートに今晩 6:30、これらを受け取りに来ることができます。」
「そうしよう。石はどうする?。」
「私がモーカー伯爵夫人に手紙を書くよ。我々がそれを持っていると言う事を知らせる。それまで私がここで預かるよ。ああ、そしてピーターソン、新しい鵞鳥を買って、ここへ今晩持ってきてくれ。」
私はホームズに尋ねた。
「それで、君は配管工が犯行に及んだと考えるか?。」
「私にはまだ判らない、ワトソン。」
6時半、背の高い紳士が訪れた。ホームズはあの帽子が彼のものかどうかを尋ねた。
「ええそうです。」
「それは良かった。我々はやむを得ず鵞鳥を食べてしまったのですが、しかし貴方のために新しいものを用意しました。そのことについて貴方が気しない事を望みます。」
「鵞鳥があるのなら、私は大丈夫です。」
「ところでお伺いしてよろしいですか。あの質の良い鵞鳥、貴方はどこで手に入れたのですか?。」
「ああ、あれですか。博物館のそばにバーがあります。そこの主人からあの鵞鳥を手に入れました。」
そうして、ヘンリー・ベーカー氏はお辞儀をし、去った。