エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Creeping Man Part One」(2023 年 2 月)

 

 私がベーカーストリートに到着した時、ホームズは膝を彼の胸のところに当て、彼の口にパイプを加えながら椅子に座っていた。彼は明らかに深く思索の中に居た。彼は無言のまま椅子を指差した。暫く後、彼は言った。

「ワトソン、君はあの有名なプレスベリー教授の事を知っていると私は思う。彼は何度か彼自身が飼っている犬に襲われた。そして、その犬は彼以外は襲わない。これは不思議な事だ。」

 扉にノックがあり、背の高いハンサムな若い男が部屋に入ってきた。ホームズは私に言った。「ワトソン、こちらはトレバー・ベネット氏。彼はプレスベリー教授の助手であり、教授の娘の婚約者だ。彼らは皆同じ家で一緒に暮らしている。」

「ワトソン博士は状況についてご存じでしょうか?。」ベネット氏が尋ねた。

「いや、彼は知らない。ですから私が説明するつもりです。」ホームズが言った。

「まず、教授は彼の同僚の娘と恋に落ちた。彼は 61 歳で、彼女よりかなり歳が上だ。さらに重要な点は、教授は近頃様子がおかしいのだ。彼は変わらず素晴らしい授業を提供するが、彼の性格が変わってしまった。まるで、邪悪な影が彼の人格を覆っているようにだ。ベネットさん、何が起こったのかワトソンに話してください。」

「教授は誰にも告げずにプラハに旅に行きました。そして古い木製の箱を持ち帰りました。ある日、私はうっかりしてその箱に触れてしまったのですが、教授は私に非常に怒りました。そうして明くる日、教授の愛犬、ロイ、が彼を襲いました。それは 7 月 2 日の事でした。私はそのいつもと違う出来事を日記に記録していました。ロイは教授を 7 月 11 日、7 月 20 日にも襲っています。」

 ホームズは言った。

「わかりました。ベネットさん、貴方はそれより新しい出来事を私に話してくれましたよね。」

 ベネット氏は話した、しかし彼が思い出したくないのだということが明らかに見えた。

「それは一昨日の夜のことです。ああ、恐ろしい。私は物音が聞こえたので、私の部屋の扉を開けました。廊下は一つの窓から差す月光を除いては真っ暗でした。しかしそして、私は床に何か動くものを見ました。教授が彼の手と足を用いてその廊下を這っていたのです。」

 

 突然に扉が開いた。そして若い女性が中に入ってきた。ベネット氏が言った。

「僕の大切なエディス!。どうかしたのかい?。」

「ああ、私は私の父と一緒に一人でいるのが恐ろしかったの。私はここまで、貴方の後を追わなければと思ったの。」

 ホームズはベネット氏の婚約者、エディスに尋ねた。

「何が起きたんです?。私にお話しください。」

「私の父は、私の父ではありません。彼のように見える何者かというだけのものです。ロイが吠えていたので昨夜、私は窓を見ました。その時、私は外側に私の父の顔を見ました。私の部屋は三階にあるんです!。」

 ホームズは非常に驚いたように見えた。彼は尋ねた。

「貴女たちの庭には長い梯子がありますか?。」

「梯子はありません、そして梯子なしにはその窓にたどり着くのは不可能です。」

 ホームズは言った。

「もし私が正しければ、次の火曜日に何かが起こるでしょう。ワトソンと私はその時貴方たちにお会いすることになるでしょう。」

 

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