Ritsuko: すみません。ここはインフォメーションセンターでしょうか?。私、人を探したいのですが。
Clerk: ええ左様でございます。どなたをお探しになられて?。
Ritsuko: アオキリツコ。
Cleark: 分かりました。それで、このお方はどのようなものをお召しに?。
Ritsuko: 青いワンピース、デニムのジャケット、それに白いスニーカー。
Clerk: 承りました。ああ、貴女様、似たようものをお召しになられてらっしゃいますね。
Ritsuko: そうね。
Clerk: そして、お探しの女性とお逸れになったのはいつからになりますか?。
Ritsuko: うーん…。半年くらい前、かしら。
Clerk: 半年…。えっ?。貴女は六ヶ月と仰る?。
Ritsuko: ええそう。あるいはもっと長いかも。
Cleark: そのお方はお幾つになりますか?。
Ritsuko: 33 ね。
Clerk: ああ、お客様は成人女性を探しているのですね。
Ritsuko: 私の人生はうまく行かなくて、最近私は彼と別れ…。
Cleark: おお…。
Ritsuko: 私は今夢もなく。私が言いたいのは以前は在ったということだけれど…。
Clerk: あああ…。
Ritsuko: 私、自分の将来についての不安が止められないの。
Cleark: うむむ…。
Ritsuko: 私、人生の迷子なんです。
Clerk: 貴女の人生の迷子はこの建物内には居りません。
Ritsuko: そうしたら、私、どうすればいいんですか?
Cleark: ごめんなさい、でも私は貴女に人生のアドバイスを与えることはできません。私はセラピストではないのです。
Ritsuko: 私、貴方が私自身を見つける手助けをしてくれるかなあ、って考えたの。でも、理解しました。
Clerk: 実は私、人生は迷路のようなものじゃないかな、って考えるんです。
Ritsuko: 迷路、ですか?。
Clerk: ええ。すべての迷路はゴールを持つ。だから、もし貴女が迷っても、貴女が歩き続ける限り、貴女は最終的にゴールにたどり着く。歩き続けるだけですよ。
Ritsuko: 貴方の言うこと正しいかもしれない。私は、歩くのをやめたんだ。私がもし前に歩くのをやめたら、私はゴールには決してたどり着くだろうことはないよね。ありがとう!。さようなら!。
Clerk: ゆっくり、力をぬいてね!。ふむ、僕、セラピストになれるかも知れないな!。