Tomoka: またね!。わたしカラオケにいくの。
Satoru: おー、一緒に誰と行くんだい?。
Tomoka: わたし、一人で行くの。
Satoru: 何だい?。
Tomoka: わたし、いつでもそうしているの。
Satoru: どうして、君一人自身でいくんだい?。
Tomoka: それは普通のことよ、サトル。
Satoru: いや、普通じゃないよ!。カラオケというものに対しては、歌う人が必要だしそれを聴く人が必要だよ。もし聴く人がいなかったら、それはお風呂で歌うのと何も変わらないよ。
Tomoka: 君がカラオケに誰かと行く時、本当にみんなの歌唱を聴いてる?。君はお友達と話したり、食べたり飲んだり、君の次の歌を選んだり、でしょう?。
Satoru: そうだね、君はいいところに気がついたと僕は思う。でも…。
Tomoka: もし君が君自身一人でカラオケに行ったら、君はどんな歌でも、その歌がヘタでも、歌えるよ。自分の順番を待つ必要はないし、何度も何度も同じ歌を歌うことさえできるよ。
Satoru: なるほど…。でもしかし、やはりお風呂で歌うのとおんなじじゃないか。
Tomoka: サトル!。おんなじじゃないよ。よし、今から一緒にカラオケにいこうよ。
Satoru: いっしょに?。
Tomoka: 一緒にいくけれど、二つの部屋を借りよう。わたしたち、それぞれのカラオケをそれぞれでするの。
Satoru: そんなことしても僕の考えはかわらないとおもうなあ…。
Tomoka: 小一時間ためしてみるだけだよ!。
* * *
Tomoka: 彼どうしたんだろう?。もう一時間すぎたよ。受付の人に聞いてみるか。すみません、わたしのお友達はまだ出てきませんか?。
Desk Clerk: ああ、お客様ならもう一時間歌いたいとのことでした。
Tomoka: わたし、彼がそれを気にいるって、わかってたよ!。