ある日、犬は街をうろついていた。彼は森に住んでいる、そしていつもお腹を空かしている。しかしその日は、彼はとてもとてもお腹を空かしていた。そうして、彼は何か食べるものを探す為に街に居た。肉屋の店主が痩せた彼を見て彼を気の毒に思った。
「おい、そこのワンちゃん。お腹が空いているようだね。特別な肉がある。ほら、いくらかお食べ。」
店主は大きな肉の切れ端を犬に投げ与えた。犬は嬉しそうに吠え、彼の口に肉を捉えた。犬には信じられない出来事だった。彼は思った。
「僕はとても幸運だ。この肉をできる限り早く家に持って帰ろう。この肉を僕の元から誰にも持って行かれないように!。」
そうして、犬は口の中の肉とともにできる限り速く走った。彼は街を出て森に向かった。
帰途の道、河に懸かる大きな橋が在った。犬は休むために橋の上で少し立ち止まった。その時、彼は河の中に何かを見たと思った。
「うん?、他の犬を見たように思う。そしてまた、彼は自分と同じ様に肉切れを口に持っている。」
犬はゆっくりと河を覗き込んだ。彼は驚いた。
「やっぱり!。他の犬が居る。うーん、おかしいな!。彼は僕にとてもよく似ている。そして彼も肉切れを口にくわえている。しかし彼の肉を見てみろ!。彼の肉切れは僕のものよりももっと大きい!。」
犬はあまり深く考えなかった。無論、そこには他の犬は、居なかった。河は鏡のようだった。だから、彼は水面に映る自分の姿を見ていたのだ。しかし犬はより大きい肉切れのことしか考えられなかった。
「彼の口にある肉が欲しい!。彼からそれを奪うぞ!。」
犬は吠え始めた。そして肉は、彼の口から落ちた。そして、彼は河の中に飛び込んだ。しかしながら当然、彼が水面に当たった時、もう1匹の犬は消滅した。
河の水の流れは冷たくて速い。彼は全ての力を向こう岸まで泳ぐことに使わなければならなかった。彼は無事だったがしかし、肉切れは失ってしまった。彼は言った。
「自分を見ろ、寒くて、ずぶ濡れ、そして幾らの肉も持っていない。河に飛び込む前どうして深く考えなかったんだ?。どうして肉切れとともに幸せな気持ちに成れなかったんだ?。」
犬は寒さとずぶ濡れと空腹の中、家まで歩いた。
--Too much greed results in nothing.
(過ぎたる欲の結果、何もない。)