
伯爵は部屋の扉へ走り、彼の寝室の書棚へ駆けて行った。誰も言葉を発しなかった。沈黙は、その状況をより意味深いものにさえしているように見えた。そうして伯爵が戻った。彼の顔は青ざめ、彼の声は動揺していた。伯爵は言った。
「君は正しかった。窓の端に穴が在った。」
伯爵はフロリアニ氏の腕を掴み、推理を話すのを続けるよう頼んだ。
「続けてください。私たちにあなたの推理の残りを話してください。」
「私の意見では犯人は、貴殿と奥様が晩餐会の会場にいる間に、アンリエットの部屋から貴殿の部屋に、はしごを設置したに違いないです。そうして彼は貴殿が首飾りをしまうところを窓越しに見た。貴殿が就寝された時、彼は窓の端に穴を開けその穴から針金を通し、欄間窓を開くためにその輪を引いた。そうして彼は窓を通り抜けた。」
「不可能です!。その窓は小さ過ぎてどんな男性もそこを通り抜けることはできません。」
「それなら、それは男ではなく、子供、なのです。」
「なんですって!。」
「アンリエット女史は若いご子息をお持ち、でしたよね?。彼は 6 歳か 7 歳くらいでしょう。」
「ええ、彼の名はラウールです。」
「それなら、ラウールが犯人です。」
「その他の証拠はありますか?。」
「たくさんの証拠がありますよ。例えば、人は子供がはしごを運んでいてもさほど注意深く気にしません。そしてそのはしごはアンリエットの部屋の棚から簡単に作成できました。」
「もし私が正しく記憶していれば、二つの棚が確かに在った。」
「そして、調理用の暖炉があるはずです。だから私は貴殿が、火を起こすのに用いる火かき棒を見つけることを確信しています。ラウールはそれを、紐の輪を引くのに使ったのです。」
伯爵は何も言わず再び部屋を去った。そして彼が戻って話した時、誰も驚きはしなかった。
「子供だ。全てはフロリアニ氏の話した通りだ。」
伯爵夫人が遮った。
「母親に違いないわ。彼女がその子に、そうさせたに違いないわ。」
「いいえ。その母親はそれに関して何の関与もありません。」
「それで、首飾りは?。どうしてその子の持ち物からでてこなかったのですか?。」
「母親とは違って、彼は出かけていた。彼は学校に通っていた、のでしょう?。それで皆さんがアンリエットの部屋に行った時、彼は学校から帰ってきたばかりのところだった。警察は彼の本や勉強机を捜査するべきでしたね。」
伯爵夫人は再び言った。
「アンリエットの受け取っていた金銭についてはどうご説明を?。それが、彼女がそれを彼女の息子と成した証拠じゃないですか。」
「もし彼女がその事件の一部に関与しているのなら、貴女に手紙をよこすと思いますか?。貴女にお礼を言うと思いますか?。誰もがその子供のことは考えなかったので、彼は自由に動き回れた。彼はそのダイアを金銭と交換したに違いありません。そうして、それを何年も何年も彼の母親に送金したに違いありません。」
フロリアニ氏の声は一同を不安にさせた。その紳士は彼の推理に自信を持っているように見えるだけというわけではなく、彼はまるでドルー・スービーズ家を敵として見ているように思えた。