エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「KANJINCHO Part 1」(2026 年 4 月)

 

 我々の物語は安宅の関と呼ばれる新しい関所、チェックポイント、にある山から始まる。新しい関所が頼朝により、彼の弟である義経を捕らえるために国中に設置された。富樫、この関の関守、がその番卒達に話した。

 

「我々は義経殿、とその従者等が京を落ち、北へ向う途上と知る。我々は彼らが山伏、山の修行者、に姿を変えていると聞いている。皆の者、我々は彼らを通すことをするつもりは無い。」

「畏まりました。我等は既に数人の疑わしい山伏を捕らえております。」

「我等はこの関を一層油断なく番し続けます。」

「私はそれを聞いて安心した。もしどんな山伏もが我々の関を通り過ぎようと試みるなら、彼らを私の前へ連れて来なさい。」

「畏まりました!。」

 

 それは二月十日の夜。義経と彼の従者達が静かに月夜の下京を出でた。その一行は琵琶湖の北岸に着いた。そして、義経は弁慶と彼の信頼する家臣たちに話した。

 

「皆はどう思うか?。至る所にとても多くの新たな関が在る。陸奥へ向かうため北上するのは極めて困難に見える。私は捕らえられ、名もない兵に殺されるよりも名誉のためむしろ自害したいとも思うが、お前や私の家臣達は私に、逃げるべきだと、良い機会を待つべきだと、言う。私はお前達の意見を無下にすることはできない。そうして私は今、強力、ラゲッジキャリアに扮している。この先の関所をどのようにして通るかに関しての策を、誰か持っていないか?。」

「我等は刀を持っております。我等はこれを用いるべきだ。今しか、無い。」

「我等は戦って、関を通るのです。」

 

 その時弁慶は言った。

 

「皆、待て。我らがたとえ一つの関を抜ける道を戦って切り開いたとしても、その他の関は我らが近づいていることを知ることになるだろう。戦うのはよくは無い策だ。我らはその方法で安全な場所にたどり着くことは決して、無い。そう言うわけで、我が君を普通の荷運びのよう見せるために、我が君は御肩に大きな荷を運んでいるのだ。我が君がこのような姿をしているのを見ることで、私の心が痛む。しかし、君はその御顔を頭巾の下に隠すことができるであろう。もし君が疲労しているように見え、且つ、我らの後を歩いてくるのであれば、彼奴等は我が君を我ら山伏の一団の一員とは思わないだろう。彼等はそれが我が君とは気がつかないだろう。」

「我が家臣ども、私は弁慶を信じる。彼は何をなすべきかを知っている。我等は彼の言うように皆、取り計らいましょう。」

「畏まりました。」

「さて、皆の者、関に向かうぞ!。」

 

 弁慶は一団を率いた。彼らは関所の入り口へ近づいた。弁慶は関の番卒へ力強く話した。

 

「我らは山伏である。我らは関所を通過したいのだ。」

 

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