エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Sansho-dayu - Episode 2 - The Suffering」(2022 年 1 月)

f:id:forenglish:20210617233923p:plain

 

 四人の旅人たちは二つの船に分かれて異なる道を進みました。

 一つの船は北へ向かい佐渡へ向かいました。その道中に従者はその身を海に投げました。二人の子供達の母親もまた自害したいと思いましたが、船長がそれを止めました。彼は母親を佐渡で売るつもりでした。

 子供達の船は丹後、現在では京都府、に到着しました。この地域では山椒大夫と呼ばれる裕福な男が力を持っていました。彼は彼のために働く人間を買っていました。安寿と厨子王丸はこの恐ろしい男に売られました。

 

 安寿と厨子王丸山椒大夫に初めて会った際、彼らは余りに恐ろしくて声が出ませんでした。その60歳の男の顔は鮮やかに赤いものでした。彼は灰色の髪と髭をもち、それらは彼を恐ろしい怪物の様に見せていました。

 

「女は海で働け。そして男は山で働け。」

 

 姉と弟は彼らが一日中働かされる間、別々にされました。しかし、彼らは小さな一つの部屋に一緒に暮らす事ができました。二人は彼らの父親と母親のことを考えて毎晩泣きました。10日が過ぎ安寿と厨子王丸は逃げる方法を考え始めました。厨子王丸は言いました。

 

「一緒に逃げましょう!。」

 

安寿は同意しませんでした。

 

「お前は行きなさい、自分自身で。私は残ります。」

「しかし姉さん、一人でそのようなことはできません。」

「お前は賢い少年だ。お前ならできる。まず、九州に向かい私たちの父を見つけるのだ。そうしてお前が私たちの母を見つけることを助けてくれるように頼むのだ。」

 

 山椒大夫の息子が彼らの会話を聞いていました。逃げようと試みる人間は彼らの額を赤く熱い鉄の棒で焼かれます。その息子は安寿と厨子王丸を彼の父親の大きな屋敷に連れて行きました。

 山椒大夫は火の中に鉄の棒を熱くしました。安寿の叫び声が山に響きました。そうして厨子王丸もそれに続きました。

 

 弟と姉は冷たい地面に放り投げられました。二人は彼らの部屋に恐怖と痛みに満ちた部屋に戻っていきました。厨子王丸はすぐに言いました。

 

「安寿、姉さんの仏像を出してください。」

 

 安寿は彼女の着物からその像を取り出し、彼らはそれに祈りました。彼らの苦痛がゆっくりと去りました。

 そのとき、二人は目が覚めました。彼らは二人とも眠っており、同じ夢を見ていました。彼らはお互いを見つめました。彼らの額の焼印は無くなっていました。代わりに、焼印が仏像の顔に在るのを二人は見つけました。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ