Husband: 僕は父さんが家にこんなに大きな金庫を持っていたことは知らなかったよ。父さんは生きている時には、このことについて一切何にも話さなかったよ。
Wife: なにが入っているのかしら?。金塊?。ダイア?。もしかしたら或いは、お父さんが広い土地を所有していたことを証明する重要書類!。
H: もちろん、それは無い。父さんは裕福ではなかった、知っているだろう。
W: 夢を見たかっただけだよ!。じゃあ、開けてみて!。
H: でも、僕はその鍵を持っていないんだよ…。僕らが家を片付けている時に、なにか鍵を見なかったかい?。
W: ううん見なかった。うーん、わたしたち、その金庫を開けるためにプロの業者さんに依頼するべきよ!。この辺りの業者さんを探すために私のスマホ使うわね。
H: ちょっとまって。僕にいろいろ調べさせて…。ああ!、あの棚の上に小さな箱があるの、君、見える?。僕は父さんがいくつか鍵をその中に入れていたのを思い出したよ。
W: 調べてみよう!。随分高いところにあるね。私たち梯子、持ってたっけ?。
H: どうだろうな。ああ、いい考えがあるよ!。僕を君の背中に乗せてみよう、そうすれば僕はそれに届くことが出来るよ。
W: あなたがわたしの上に乗るの?。わたし、もっと軽いよ。だから、わたしがあなたの背中にのるね。
H: そうだね。あーっ…!。急いで!。
W: やってるのよ!。もう少しだとおもう…。とったよ!。
H: ふーっ。背中が痛いよ。
W: わあ…。たくさんの鍵があるよ。
H: 僕にそれを見せて。この鍵がその金庫と同じくらいの古いものに見えるね!。これを試してみよう。
W: おーっ!。やっとわたしたち、その金庫をひらいて中のものをとりだせるね!。なにか価値のあるものが中に入っているといいなあ!。あけてみて!
H: 落ち着いて。中にはなんにも入っていないかもしれないよ。深呼吸して。準備はいいかい?。
W: いいよ!。
(かちゃっ)
H: へっ?。
W: なかになにがあるの?。おしえて、おしえて!。
H: 本、葉書、アルバム…。古い物たちがある。若い頃の母さんと父さんの写真がいっぱいだ。
W: お二人は大変幸せそうだね。見て、お義母さんとお義父さん、この写真の中で手を握ってる。これはもしかしたら新婚旅行かも知れないね!。そして、これ見て!。赤ちゃん!。
H: 思うに、それは僕だね。
* * *
H: ねえ君、コーヒー淹れたよ!。
W: あー、ありがとう。
H: 古い家を片付けるのは簡単なことじゃないね。そうして、その金庫の中もなんにも入っていなかったね!。
W: あなたなにいってるの?。その写真たち、価値のつけられないおたからだよ!。
H: そうか、そうだね。それと、今日は手伝ってくれて有難うね。
W: いいえどういたしまして。でも、あなた急にあらたまってどうしたの?。
H: 僕は生まれた、なぜなら僕の両親が出会い、家族を持ったから。そうして僕は君に出会い、我々は家族になった。僕は本当に幸せだよ。ありがとうね。
W: ううん。私も貴方に有難うと言いたいよ。わたし、私達がいつでも幸せでいられたらなとおもうよ。貴方のご両親みたいに。
H: 僕も、同じだよ。