エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「A Case of Identity Part Two」(2022 年 5 月)

 

 ホームズは彼の椅子に座り、彼のパイプを吸っていた。

「それで、ホームズ、私が見ては居ない物を、君は見たように思える。」

「君はそれを見たよ、ワトソン君。しかし、君はそれを読み取っていないのだ。例えば、私はメアリがタイピストだと分かった。何故なら彼女の手首の側の、シャツの袖には線が在る。彼女の袖は彼女がタイプする際に机に触れる。さて、そのメアリが残した新聞広告を私に読んでくれないか。」

ホズマ・エインジェルは5フィート7インチ、白い肌、黒い髪、そしてとても濃い口髭…。」

「十分だ。ではメアリ宛のエインジェル氏の手紙を見よう。何が興味深いとおもう?。」

 私はその手紙を見て言った。

「これはタイプ打ちされたものだ。」

「ああ、そして彼は彼の名もタイプしてある。さて、これは私にほとんど全てのことを教えてくれる。」

 ホームズはウィンディバンク氏に、我々に会うよう依頼する手紙を書いた。

 次の日、30歳位の男がホームズの部屋に入り、座った。

「ようこそ、ウィンディバンクさん。お返事をいただき有難うございます。これは貴方がタイプしたものですか?。」

「ええそうです。私はメアリが貴方にご迷惑をおかけしている事を申し訳なく思います。私は貴方がホズマ氏を見つける事は出来ないだろうと思います。」その男は答えた。ホームズは静かに言った。

「私は彼を見つけられます。貴方はご存知ですか、ウィンディバンクさん、それぞれのタイプライターはそれぞれが異なったものだと。エインジェル氏のタイプライターは16の点で特徴があります。例を挙げると、"r" の文字の部分が欠けている。そして貴方のタイプライターも、正確に同一だ。」

 ウィンディバンク氏は椅子から飛び上がり彼の帽子を身につけた。「私はこの面談のための時間がありません!。貴方がその男を見つけたら私に教えてください。」

 ホームズは扉に歩き、その鍵を閉めた。「ウィンディバンクさん、私は彼を見つけましたよ。こんなに簡単な事件を私が解決できないと貴方が考えていた事に対して、私は驚いています。」

 ウィンディバンク氏は椅子に倒れ込んだ。ホームズは彼に向かって話した。

「私は貴方に何が起きたのかを話すつもりです。もし私が間違っていたなら仰ってください。或る男が彼よりも15歳年上の女と、金のために結婚した。その際、彼はその娘の年間100ポンドの収入も、欲した。もしその娘が結婚したなら、彼らはその金を得る機会を失うだろう。それでその夫婦は計画を立てた。その男が偽の口髭、眼鏡、を身につけ、そしてホズマ・エインジェルと彼自身のことを呼ぶ。貴方はその娘が他の誰とも結婚しないように、彼と恋に落とさせたかったのだ。」

 ウィンディバンク氏は静かに言った。「私達は彼女が彼のことをそれほど好きになるとは思わなかったのです。」

「しかし、彼女はそうなった。そう、貴方はうまくやった。その金は未だ貴方達のものだ。貴方はエインジェル氏を消さなくてはならない。それで式の日、貴方は馬車に乗り反対側から降りた。これは全く古臭いごまかしだ。貴様は法は犯していない、だから警察は貴様を牢に入れる事は出来ない。でも見てみろ、ここに鞭があるぞ…。」

 ウィンディバンク氏は即座に扉から外に走り出て通りに抜けた。

「なんと悪い男だろう!。」ホームズはそう言い、彼の椅子に腰掛け直した。

 

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