エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Blue Carbuncle Part Two」(2022 年 9 月)

 

 「ワトソン、私はヘンリー・ベーカーは青い宝玉について何も知らないという事を確信する。我々は鵞鳥の方を追うべきだ。」

 そう話し、ホームズと私はそのバーへと歩いた。ホームズは幾らかのビールを注文し、店主に話しかけた。

「ここの鵞鳥と同じくらいここのビールもうまいんだろうと期待するよ。ヘンリー・ベーカーさんがそのことを教えてくれたよ。」

「あれはうちの鵞鳥じゃないんですよ。私はそれをブリックストン・ロードで鵞鳥を育てているご婦人から購入したんです。」

 私たちは彼に礼を言い、そこを後にし始めた。その時私たちは小さな男が店主に尋ねるのを見た。店主は言った。

「俺はあんたの言うその特別な鵞鳥を持って行ったやつは覚えていないな。」

 ホームズは私に言った。

「は!、我々はブリックストン・ロードに行く必要はないだろうと、私は思うよ。」

 彼は小さな男へ歩み寄った。

「失礼、私はあなたのお役に立てるかも知れません。」

「あなたは誰ですか?。」

「私はシャーロック・ホームズです。あなたは尾に黒い斑点のある白い鵞鳥を探している、違いますか?。我々は私の部屋でさらにお話を続けることもできますが、その前に、お名前をお聞かせ願えませんか?。」

 彼は息を呑んで言った。

「私の名前はジョン・ロビンソンです。」

「いや、いや。本名を言ってください。」

 ホームズは優しく尋ねた。そして、その小さな男の頬が赤らんだ。

「私の名は、ジェームズ・ライダー。」

「あなたはコスモポリタンホテルで働いていますね。さて、我々と一緒に行きましょうか。」

 ライダーは私たちを期待と恐れを持って見つめた。家に戻り、ホームズはまずこう話した。

「それで、あなたは鵞鳥を探している。それはここへ来ました。その奇妙な鵞鳥は死んでから美しい青い卵を産みました。」

 そう言うと、ホームズは彼に輝く青い石を見せた。

「遊びは終わりだ、ライダー。この石の事をどのようにしてお前は知った?。」

「モーカー伯爵夫人のメイドが私に話しました。」

「なるほど。そうして、お前はあの配管工が部屋に入るように仕向け、彼が去ったのちにその石を盗んだ。その後警察を呼んだ。」

 ライダーは絨毯に彼の身を平伏して言った。

「申し訳ありません!。私はもう悪いことは二度としないと誓います!。」

「どういう経緯で石は鵞鳥の中に在ったんだ?。」

「あの配管工が逮捕された後、私は姉の家に向かいました。彼女はブリックストン・ロードで鵞鳥を育てています。彼女はクリスマス用に鵞鳥を一匹もって行っていいよと言いました。それで、私は尾に黒い斑点のある白い鵞鳥を選び、石をそれに飲み込ませました。しかし、私が家にもどり鵞鳥の胃を切り開いた時、それはそこに在りませんでした。私は家に間違った鵞鳥を持って帰ったのでした。私は私の姉のところに急いで戻りましたが、全ての鵞鳥たちは売られていました。お願いです、ホームズさん。助けてください!。」

 そうしてライダーは泣き始めた。長い沈黙ののち、ホームズが言った。

「出ていけ!。」

 ライダーは部屋から駆け出た。ホームズはパイプに火をつけて言った。

「彼を逃してやったのは間違いかもしれない。しかし、ライダーはもう二度と間違ったことは犯さないだろうと私は思う。石が戻れば、配管工は釈放される。何にしろ今はクリスマスだ。赦しの時期じゃないか。」

 

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