「本当にご訪問頂き、大変嬉しく思います。」
ヘレンはホームズと私を彼女の顔にある微笑みと共に迎え入れた。ホームズは答えた。
「勿論、訪問します。部屋を我々に見せて頂けますか。」
ヘレンの部屋は小さく、ベッド、化粧台、そして椅子があった。ホームズはその椅子に座り、周りを見渡した。彼は突然に立ち上がり、ベッドまで吊り下がる太い縄を引いた。
「ああ、それは召使いを呼ぶためのものです。」ヘレンが言った。「しかし故障しています。」
「それは何故通気口から出ているんです?。そしてその通気口はなぜ外ではなく他の部屋に繋がっているのです?。非常に奇妙だ。」
ヘレンの継父の部屋はより大きなものだった。
「ヘレンさん、貴女のお父上は猫を飼っていますか?。ミルクのための小さな皿が見えますが。」
「私たちは猫を飼ってはおりません。飼っているのは狒々と猟豹だけです。」
「はあ、しかしこの皿はそのどちらにも小さすぎます。」
突然にホームズは大きな声で叫んだ。
「これは恐ろしい。ヘレンさん、今晩貴女のお父上が彼の部屋にお戻りになられた際、私たちへのサインとしてランタンを窓に置いてください。そして、私たちが内部に入れるよう、窓を開けておいて下さい。最後に、静かに貴女の元の部屋に行き、そこにじっとしていて下さい。ワトソンと私は、謎を解決するために貴女の部屋に留まります。」
ホームズと私は近くの宿でサインを待った。私はホームズに尋ねた。
「それで、私が気がついていないところの何事を、君は理解したんだい?。」
「先ず初めに、通気口だ。私は部屋に入る前からそれがあることは解っていた。ヘレンの姉が煙草の煙の匂いを嗅いだと言ったことを、思い出せるかな?。この事は部屋同士を接続している何かが存在しなければならない事を意味する。ああ、さて、ヘレンのサインが見える。行こうか。」
我々は開いた窓を通り、中に入った。ホームズと私は暗い部屋の中に座り、待った。長い時間の後、通気口に明かりを見た。そして我々は口笛を耳にした。ホームズはベッドから飛び上がり、彼の杖で紐をとても強く叩いた。そのすぐ後、恐ろしい悲鳴が隣の部屋から聞こえた。ホームズは言った。
「これで終わりだ。」
我々がエレンの継父の死体を発見したとき、ホームズは静かに言った。
「紐だ、まだらの紐だ!。」
継父の頭の周りに、一匹の蛇が在った。
「ワトソン。あれはインド産のとても危険な蛇だ。その毒はどの様な検査からも発見されることはない。」
我々の帰路、ホームズは全てを説明した。継父は財産の全てを欲した、それで姉妹を彼女たちが結婚する前に殺害する必要があった。彼はその蛇が通気口を通り抜け他の部屋に入り込める様に仕向けた。そうして、その蛇はベッドに降りるためにあの縄を使った。ミルクを蛇に与えることで、口笛の音とともに蛇が事を行う様に躾けた。ホームズが今晩その蛇を打ち付けることで、それは怒り、それが第一に見た者を噛んだ。今晩その者は、ヘレンの継父だった。