Cameraman: おお…おおおおお、あーっ!。
(倒れる)
Takumi: ごめんなさい!。大丈夫ですか?。
Cameraman: 私の膝が…いたいっ!。どうしてこのケーブルをお前は片付けなかったんだ?。これはカメラアシスタントのおまえの仕事だっ!。
Director: カット、カアット!。
Cameraman: 監督失礼しました。彼は新人なんです。
Director: いいよ。誰もがミスをするし。しかし君の声量を落としてくれないか?。アイドルグループの MV を我々は撮影しているところだ。で、私は物事をスムースに進めたい…。
Cameraman: ああ、勿論です。失礼しました。
Director: うん、休憩しよう。僕はいくらか甘い物を買って、廊下の外に用意してあるから。皆さんでご自由にどうぞ。
* * *
Cameraman: タクミ、お前のせいで俺が監督に怒られたじゃないか!。
Takumi: ごめんなさい、先輩。
Cameraman: 俺がトイレに行っている間に、ケーブル全部片付けることを確実に行うんだ、いいな?。
Takumi: 勿論です、先輩。(ためいき)
Yuri: そんなに落ち込むひつようないわよ、でしょ。
Takumi: へっ?。
Yuri: わたしたちはたくさん間違いを犯すし、わたしたちのダンスの先生は毎回わたしたちをすっごく叱るわ。でも大切なことは、わたしたちがより成長すること。
Takumi: わかります…。
Yuri: タクミ先輩。せんぱい、わたしだってこと、まだ気が付かない、そうでしょ?。
Takumi: はっ?。
Yuri: わたしよ、ユリ。
Takumi: 勿論、私は貴女がユリさんだとは存じております。日本中誰もが貴女の事を知っています。貴女は最も人気のあるアイドルグループのうちの一つに属している歌手です…。
Yuri: ちがうの。わたしが言ってるのは、わたしはユリだってこと。わたしたちの高校の、サッカー部のマネージャーの、よ。
Takumi: 僕らの高校の…ああ!。君はあのユリちゃん?。本当かい?。
Yuri: やっと気がついた!。久しぶりだね、先輩。
Takumi: これを僕は信じることができない!。わあ!。つまりええと君はいつも物静かで、全く社交的では無く。君はトロくてそして…。
Yuri: せんぱいっ!。
Takumi: ああ、ごめんごめん。意地の悪いことを言うつもりじゃあなかったんだ。
Yuri: いいですよ。わたし、暗くて鈍かったし。
Takumi: わあ。これは驚きだよ!。僕らのチームメイトたちが君があのユリちゃんだと気が付かないだろうと、僕は確信するよ。
Yuri: で、先輩はカメラマンになりたいんですか、せんぱい?。
Takumi: ぼく?うん。だといいな…。
Yuri: わたし、せんぱいはぜったい世界一のカメラマンになるとおもいます!。
Takumi: 僕には判らない。僕の上司はいつでも僕に怒っているし自分の中の自信を僕は失いかけている。もしかしたら自分は力不足なのかもしれない。
Yuri: そんなこといわない!。私達の弱小チームを全国高等学校サッカー選手権大会出場まで先輩が導いた時に、先輩は何を言ったか覚えていますか?。
Takumi: いいや…。
Yuri: 先輩はこう言ったのよ。「不可能なものはない!」私が私自身の夢を追ってこれたのは、貴方の言葉を信じていたからなんです。
Takumi: ああ…。
Cameraman: タクミいっ!。どうしてお前はまだそこに馬鹿みたいに突っ立ってるんだよ?。ケーブルがまだ出しっぱなしじゃあないかっ!。俺はお前にそれらを片付けるようにいったよなあ!。
Takumi: すみません、先輩!。直ちに片付けます!。
Cameraman: お前はなにをするにも、のろまだな。
Yuri: 今のようなことを彼に言わないでください!。
Cameraman: なんだあ?。
Takumi: ユリちゃん、君がそんなことしなくていい…。
Yuri: タクミ先輩はのろまではありません。彼は日々良くなるはずです!。私は彼がいつでも彼のベストを尽くしていることを知っています。彼は貴方よりもすぐに良いカメラマンに成るでしょう。貴方のようケーブルに躓かないカメラマンに。
Takumi: ユリちゃん!。
Yuri: 貴方が怒っているという理由だけで、私が最も尊敬する人物に対し大声を上げることをしない、と言うことを私に約束してください。
Cameraman: あ、ああ…わかりました。約束します。