Husband: よし君、これを降ろそう。
Wife: いいわよ。サン、ニイ、イチ…あいたっ!。
H: どうしたの?。
W: 指よ!。私の指が本棚の下にあるのよ!。
H: あー、ダメ!。持ち上げるよ。
W: ふー。ありがとう、でもあー。私の指はとても痛むわ。
H: ごめんよ。僕らは”イチ”でそれを降ろすのだと思ったんだ。
W: ちがうよ!。ゼロまで待つ!。
H: 誰もゼロなんて言わないよ…。でもとにかく、ごめんね。
W: 大丈夫。でもこの本棚が動かせて良かったわ。
H: 僕もそう思うよ。
W: 居間の模様替えをずっとやりたかったの。でも待って…。
H: なんだい?。君?。
W: あの壁。以前は本棚で覆われて居た壁。だから見えなかった。でも今は、そこに広い場所ができたわ。
H: うーむ。我々には何ができるだろう?。
W: そこに絵画を置きましょう。
H: 素晴らしいアイデアだ。明日買い物に行って、有名な画家の物を得てくるよ!。
W: どんな作家の作品を?。
H: 僕は、ピカソであるとか、ファン・ゴッホであるとか、考える。
W: まあまあ、いいわね…。
H: それらの作品は好きでは無い?。
W: 好きよ。でも彼らの事はみんな知って居るわ。それは面白く無い。
H: どういう意味だろう?。
W: 私たちの友達が来たときに絵画を観て、「あの作家は誰だい?。」と聞かないのよ。それはあまり面白い事では無いわ。
H: それなら、モネはどうだろうか?。あるいは、レンブラント?。
W: 彼らは同じくらいに有名よ。
H: じゃあ、君、君が決めて!。
W: わかったわ。そうだな…私の絵画はどう思う?。
H: 何の話をしているの?。君の作品?。
W: そうよ。私は高校時代、美術部に居たの。
H: でも、君!。
Narration(Husband): 数日後…。
H: おーい君?。もう絵画を始めたかい?。
W: うー…分かってるでしょう、私はそれについて考えて続けているの。計画は絵画に於いてとても重要なの。偉大な作品には沢山のプランが必要なのよ。
H: そうだね…。
N(H): 数週間後…。
H: で、君の設計は順調に進んでいるかい?。
W: はー?。あー、企画!。とても順調よ。幾らかの絵筆と絵具を買いに行こうと思って居るの。
H: いいね!。
N(H): 数ヶ月後…。
H: うーん。君?。
W: うん、何なに?。
H: 本当に君は何か絵を描くつもりなのかい?。
W: もちろんそうよ…。
H: でも絵具と絵筆は買い物かごに入ったままじゃあないか。
W: うーん…。指よ!。指が、本棚を動かした時からまだ痛いの。
H: きみー、あれは6ヶ月前だよ!。
W: でも痛いんだもの!。
N(H): 一年後…。
H: ただいま!。
W: おかえり、今日はどうだった?…あら、何を買ってきたの?。
H: 僕は居間にぴったりの絵を見たんだ。
W: でも言ったでしょう。私がなにか絵を描くって!。
H: そうだね。でもここには君が描き終えるまでこれをを飾る事が出来るよ。観て?、どう思う?。
W: いいわね。かなり良いわ。で、誰の作品?。
H: ピカソ!。
W: ほんとうに?。
H: うん、そうだよ。やっと、居間の模様替えがおわった!。