Takashi: こんにちは!。ヘリコプターは飛ぶ準備が整ってますか?。
Pilot: ええ、カザマさん。貴方は大丈夫ですか?。
T: もちろん私は大丈夫です。ご存知の通り、私はこれを半年以上計画してきたんです。
P: 今日は貴方の大切な日ですね。貴方のご婚約者様があちらの方ですか?。
T: 彼女はまだ私の婚約者ではありません。私はまだ彼女に結婚を申し込んでおりませんから。
P: ああ、それは失礼しました。しかし、彼女はもう約20分ほどいらっしゃいますよ。
T: それは知らなかったな…。
P: 誰も貴方の完璧な計画を否定する人はいませんよ、カザマさん。心配しないでください!。貴方はビジネスマンとして成功しました。だからこの計画も成功すると私は思っています!。
T: しーっ!。そんなに大声で話さないでください。私は彼女に私たちの会話を聞かれたく無いし、私の計画を知られたく無い!。
P: 失礼。ところで、指輪をお持ちですか?。
T: ええ、それは私のポケットの中、箱に入っています。
P: それはあまりいいアイデアでは無いと私は思います。指輪は箱から取り出しておくべきです。
T: どうしてですか?。
P: ヘリコプターは飛行中に揺れます。指輪を箱から取り出す際に、落としてしまうかもしれません。
T: ああ、それには気がつかなかったな。
P: ミスしないように練習しておきましょう。私が彼女の役を演じます。私の指に、その指輪をはめてみてください。
T: 今、ですか?。
P: そうです!。早く!。彼女がこちらにくる前に!。
T: わかった、わかりました…。サユリ。
P: ええ、タカシさん?。
T: 僕はとても君を愛している。僕は君と僕の残りの人生を、一緒に居たい。僕と結婚してくれますか?。そうして、僕は指輪を素早くあなたの指にはめる…と。
P: あっ!。
T: 貴方の指は太すぎます!。
P: ごめんなさい。
T: ああ、ええと。それで、バラの花はどこですか?。
P: それはシートの下にありますよ。
T: そうですか。今日の天気はどうでしょうか?。
P: 気象状態の方は完璧ですよ!。空の神様が貴方を祝福しているんだと、私は思います!。
Sayuri: タカシさん?。どこですか?。
T: こっちだよ、サユリ!。
S: タカシさん、私をヘリコプターに乗せてくれるんです?。
T: そうなんだよ。これは二人だけのもの。僕は君を夜のマジカルツアーに招待するよ、サユリ。
S: わあ、なんてロマンチック。ありがとうございます。
T: 大丈夫、行こうか。
P: さて、いきましょう。シートベルトをしっかりとお締めください。離陸します。
* * *
S: わー!。これ、私の人生初のヘリコプターに乗る機会です。下に見える都会の灯りがとても綺麗。
T: ええ…。ああ、だめだ!。
S: タカシさん。大丈夫ですか?。貴方のお顔、真っ白です。
T: 僕らはとても高いところにいるね!。僕は忘れていたよ。僕は高いところ苦手なんだったよ!。
P: 落ち着いてください。貴方の計画、忘れてしまいましたか?。
T: いや、いや、いや!。なんの計画?。僕は今はなにも考えられません。降ろして。僕をここから降ろしてください!。