Husband: 待ってくれてありがとうね、きみ!。もうスタートボタンを押していいよ!。あれっ?。
Wife: これほんとう楽しい映画だよ!。
H: ねえ!、どうして僕のこと待っててくれなかったの?。ストップボタンを押してくれって頼んだじゃない!。お風呂に少し入っていただけだよ!。
W: ごめんねー!。わたし待てなかったの。
H: だって僕がこの映画を録画したんだぞ!。
W: だいじょうぶ。巻き戻しボタンをつかうだけだよ!。戻れるよ。
H: 人生に巻き戻しボタンは無い。
W: なんの話をしているの?。
H: 人生は巻き戻せない。過去に戻る方法は存在しないんだ。そういう理由で人生は余裕をもって過ごさないとならないし、たまには立ち止まることも必要だ。分かったかい?。
W: あなた、体調悪い?。熱でもある?。
H: いいや、僕は完全に健康だ!。(ためいき)。あのね、今日通勤途中にさ、ある出来事があったんだ…。
(サイレンの音)
Police Officer: 貴方です白い車の、止まってください!。
H: あの警官は僕に言っているのか?。なにも違反はしていないが…。
P O: 失礼します。
H: どうも、おまわりさん。私は何もしていませんよ!。
P O: それが、問題なんです!。そこの後ろの道路で、貴方がするべきことが在りました。しかし、貴方は行わなかった。
H: 何をですか?。
P O: 貴方は一時停止の標識を見ましたか?。
H: いいえ、おまわりさん…。でも分かってくれますか、私はいつもこの道を通っているわけではないんですよ!。
P O: それは合理的な理由ではないと本官は考えます。貴方の免許証を見せてください。
H: 嫁さん、怒るだろうなあ…。おまわりさん、私は仕事に急いでいる途中なんですよ。速やかに処理していただけませんか?。
P O: 数分で済みます。まず深呼吸をして、落ち着いてください。
H: はい?。
P O: 貴方は幸運でしたよ。貴方は本日事故を引き起こさなかった。しかし例えばもし、自転車或いは歩行者が道を横断したならば…。
H: ええ、お巡りさん。
P O: ご理解いただけますよね。本官は、その一時停止の標識はただの交通ルールだとは思っていないのです。
H: ええと。どのような意味でしょう?。
P O: 私はそれは、皆の命にもっと注意を払うように、と言っているのだと思っています。
H: あー…。
P O: 貴方は人生のやり直しはできません。ですから、たまには立ち止まるべきです。そうすれば、平静なこころで周りを見回すことができます。
H: 立ち止まって自身の人生を見る、か…。深いです。
P O: もし貴方がそのように考えるのならば、貴方は一時停止の標識を見逃す事はないでしょう。
H: あなたの仰る大事なことを理解しました。お巡りさん!。
P O: それはよかった。貴方の犯した罪は 7,000 円、そして2点になります。期日までに納付ください。
H: わかりました、お巡りさん。またそして、私は人生にも立ち止まる時間を取ることにします。
P O: 安全運転を。
(車の去る音)
W: わあ…。
H: そう、そういうわけで、君は観るのを一時停止して、僕を待つべきだったよ!。
W: なるほど…。それであなた、7,000 円についてはどうするつもり?。
H: あっ、それ…。うーん…。大事な事はだねえ…。
W: どこから 7,000 円が出てくるの?。
H: あー…。僕、嫁さんのストップボタンを持っていたらいいのになあ…。