Okami: チナミさん!。ご自身をご覧なさい!。どうして貴女は着物をそのように着ているのですか?。
Chinami: わ、私ごめんなさい。お母さん。
O: 私たちが仕事をしている間には、私をお母さんと呼ばない。ここ、旅館では私を女将と呼ぶよう私は貴女に言いました。
C: はい、女将。私は今朝いつもより遅くに起きてしまい、着物を身につけるのに10分しかなかったのです。それに…。
O: 貴女は私たちの朝礼に15分遅れました。それが意味するのは、貴女には25分間有ったということです。貴女は正しく貴女の着物を身につけるための十分な時間を持っていました。
C: しかし、私は歯を磨かないと行けませんし、お化粧もしないと、それに…。
O: 私は貴女の言い訳を聞きたくは有りません。貴女の着物を正して客間の掃除を始めなさい!。
C: はい、女将!。
* * *
C: あーっ。今日は私がここで働く初めての日。なのにすでに大きなしっぱいをしでかしてしまった。女将が私のこと見直してくれるように、私一所懸命働かないと。
O: チナミさん?。
C: はい、お母さん?。いや、つまり女将!。
O: 使用済みシーツが廊下に出されて居ますけれど、何故です?。
C: 私は部屋の掃除が終わった後、それらを集めるつもりでした。
O: 直ちにそれをしなさい、後ではなく。
C: しかし、まず部屋を掃除したなら、その方が早いと思います。
O: 私は貴女の考えを聞きたい訳では有りません。直ちになさい!。
C: はい、女将。
O: チナミさん。一泊より多く滞在するお客様が大勢居ます。お客様方はこの廊下を利用する。お客様の居心地を悪く感じさせるであろう物を、ここに放置しない。
C: はい、女将。
O: 待ちなさい。浴場のタオル、貴女が畳みましたか?。
C: はい、何か間違っていましたか?。
O: そう!。タオルは正しく畳まれて居ませんし、正しく配置もされて居ません。タオルはすぐに崩れる可能性があります。
C: ごめんなさい。私、すぐにそれを整えます。
O: 待ちなさい、チナミさん。貴女、香水付けて居ますか?。
C: あー、お好きですか?。女将さんの息子さん、ヨウイチさんが私たちの新婚旅行中に私にそれを買ってくれたんです。私、もう一壜持っていますから、もしお気に召されるならお使いください。
O: チナミさん!。旅館で働く人は、香水を身につけない。
C: すみません、女将…。
* * *
C: ふーっ。数時間しか経っていないのに、私すごくつかれたよ。私、この仕事が務まるとは思えないな。
Guest: すみません、私は今朝チェックアウトしたばかりなのですが、部屋に私の眼鏡を忘れてしまったようなのです。
C: あら、いけませんね!。お気持ちわかります。それは本当にお困り、でしょう?。私はコンタクトをしていますが、それが無いと何も見えません。ぞっとします。
G: 貴方の思い遣り、ありがとう。でも私、老眼鏡を忘れたの。だから、そんなに心配しないで。今もちゃんと見えますから。
C: それはよかったです!。私、お客様の老眼鏡すぐ探しに行ってきます!。
G: 有難う。
O: チナミさん。
C: はい、女将?。今の、何が間違っていましたか?。
O: お客様はとても心配なされていました。しかし、貴女の言葉がお客様を笑顔にしました。
C: あー。それなら私、正しくやれましたね。わーい!。
O: チナミさん。貴女が笑うところじゃ有りません!。お客様の老眼鏡、急いで直ちに探しに行きなさい!。
C: はいっ、女将!。