Husband: グウ…グウ…。あの音はなんだ?。サトミ?はっ?。彼女はどこへ行ったんだろう?。今は真夜中だよ!。音は家の外から聞こえる。サトミは今ゴミを捨てに行っているのかな?。(階段を降りていく)ねえ、サトミ!。そんなに大きな音を立て続けたら、近所の人を起こしてしまうよ。サトミ?。
Husband: (玄関を開ける)家の中に入りなよ?。風邪をひいてしまうよ。
Wife: わたし、行かなきゃ。
Husband: 君は何を言っているんだい?。サトミ?。君、起きてる?。
Wife: あなた、ごめんなさい。わたし、秘密にしてなきゃ、ならなかったんだ。
Husband: 何の話をしているんだい?。
Wife: 彼らがここへ、私をむかえにくるの。
Husband: 誰がだい?。君はタクシーを呼んだのか?。あれは何だい?。UFO のわけが無いな、いやあり得るのか?。これは現実に起こっている事なのか?。
Wife: あなた、こんなにたのしい地球での生活を拵えてくれて、有り難くおもっています。
Husband: はっ?。
Wife: あなたは逃げないとなりません、彼らがあなたを捕らえてあなたの調査分析を行う。
Husband: 僕を捕まえる?。分析する?。まって、UFO の扉が開いている!。エイリアン!。エイリアンがくるよ!。
Alien: われわれは、彼を、わたしたちといっしょに、つれて行く、だろう。
Wife: お願い、逃げて!、急いで!。
Husband: しかし、僕は君をここへ置いては行けないっ!。ああああああ!。彼らが僕を撃った!。信じられない。
Wife: あの銃はあなたを眠らせるの。そうして、彼らはあなたの脳の中を覗くのよ。それから、彼らはあなたが死ぬまで、あなたを調査し続けるのよ。
Husband: 冗談、だろう?。どうして彼らは僕を襲うんだい?。
Wife: 彼らは私を連れ帰りたいの。私はこの宇宙を統べるカリー王、その娘。私は皇女ライス。
Husband: 王女ライス?。カリー王?。
Wife: お前は直ちに逃げるのだ!。さもなければ、彼奴等はフライパンで、玉葱と一緒にお前を料理するだろう。
Husband: あーぐっ。
* * *
Husband: 僕はどこにいる?。UFO の内部に居るのか?。彼らが僕を連れ去ったのか?。自身の身体を動かすことができない!。それに何か匂うな。スパイシーな…。
Aliens: カリー王よ、永遠なれ!。
Husband: エイリアンたちだ!。近寄るなっ!。僕になにをしようとしているんだっ?。僕を切り刻もうとしているのか?。タマネギと一緒に炒めようとしているのかっ?。
Aliens: カリー王よ、永遠なれ!。
Husband: サトミっ!。いや、ライス姫、助けて!。
* * *
Wife: あなた?。起きて。
Husband: はっ?。なんだ?。あああああ!。王女ライスさま!。
Wife: 今なんて私を呼んだの?。王女ライス?。あなた夢を見ていたのね。
Husband: あれは、夢か?。
Wife: そうよ。それにあなた動き回ってたくさんの音を立てていたわ。どんな夢をみていたの?。
Husband: UFO が君をむかえに来た。彼らは僕を捕らえて料理しようとしたんだ。
Wife: ああ、あなた。あなたはたくさんの SF 映画の見過ぎよ。まあいいわ、私、お昼ご飯にカレー作ったわよ。
Husband: カレー?。
Wife: そうよ。あなたの好みで、私、たくさんの玉ねぎいれて作ったわよ。
Husband: 僕は今、そんなにお腹へっていないな…。