エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Our Teacher」(2023 年 8 月)

 

Kai: ジュリ、こっちだよ!。

Juri: ああよかった、あなたが私を見つけてくれて!。私、あなたに会えてとてもよかったわ。私、完全に迷子だった。

Kai: この葬儀場は本当に広いよね、ちがうかな?。

Juri: それで、これがその部屋?。

Kai: うん、僕は彼の名前が外に書いてあるのをみたよ。

Juri: そう。私、メールを受け取った時本当に驚いた。私があなたにメッセージを送ったときにはあなた、驚かなかった?。私がメールを読んだとき、私は電車に乗っていて、見知らぬ人たちの前でほとんど泣く寸前だったの。メールを信じることができなかったのよ。

Kai: 君が何を言いたいのか、僕はわかる。

Juri: 私は私たちの先生がここ 2,3  年、入退院をくりかえしていることを知っていたけれど、でも私は先生はよくなって来ているものだと思っていたわ。

Kai: 僕は知らなかったんだけれど、彼は 78 歳だったんだね。

Juri: 私は知っていたけれど、78 歳でも、まだまだ若くて健康な人は多いわ。ああ、去年の同窓会、私行っておくんだったな。

Kai: 同窓会?。僕はそんなものがあることを知らなかった。

Juri: 私たち、同窓会を夏に毎年開いていたのよ。あなた、知らないのね?。

Kai: 毎年?。

Juri: そうよ。演劇部の部員全員、イトウ先生に会いに、集まっていたのよ。

Kai: ああ。どうして僕にだれも言ってくれなかったんだろう?。

Juri: 私でさえ、あなたが高校を卒業後に何をしているのか知らなかった。だから、だれもあなたに連絡をどうやってとるのか、分からなかったんだとおもうわ。

Kai: でも、君はイトウ先生のご葬儀について僕に知らせてくれた。

Juri: それは偶然、あなたをソーシャルメディアで見つけたからなの。

Kai: ああ…。

Juri: イトウ先生があなたにもう一度会いたがっていたこと、私は知っているわ、カイ。

Kai: 僕はそうは思わないな。僕らが卒業してからもう 20 年以上経っている。先生は僕のことは忘れていたに違いないさ。

Juri: 先生は忘れてなかったよ。

Kai: どうして君はそんなに確信できるんだい?。先生は僕にとってはたったひとりの先生だけれど、彼はたくさん、たくさんの生徒を受け持っていたんだ。

Juri: 数年前、同窓会で、イトウ先生は私に言ったわ。「カイはどうしているかな?。君は、彼と連絡をとっているかい?。」

Kai: 本当かい?。先生がそう言ったのかい?。ああ、僕は先生と話をしたかったな。

Juri: これはいい機会よ。先生に、今あなたは名古屋の演劇学校で教師をしていることをお伝えなさい。

Kai: 先生がそれを聞いたら、先生は天国で笑うだろうな。

Juri: 先生、そうするかもね。

Staff: お次の方、前へお進みください。

Juri: さあ、一緒に行きましょうか、カイ。私、先生に自分一人でさよならを言いたくないから。

Kai: わかった。

Juri: ああ、これが先生にお会いする最後の機会だとは私は信じることができません、イトウ先生。私、今日はここへカイを連れて来ましたよ。

Kai: ジュリ、やめてくれよ。君は僕を泣かすところだよ。

Juri: 私たち、一緒に泣いてもいいのよ。

Kai: イトウ先生。連絡を取らずにごめんなさい…。僕も、いまや教師なんです…。はっ?ジュリ、イトウ先生は髭は嫌いだったと思ったけれど。

Juri: なに?。ああ、ちがう!。これはイトウ先生じゃない!。

Kai: 本当かい?。

Juri: ちがうわ!。私たち、間違った部屋に入ってしまったんだと思うわ!。

Kai: 信じられない。札にはイトウと書いてあったよ!。僕はそれをみたんだよ!。

Juri: しーっ。カイ。静かにね。誰かが私たちが間違って入ったと気がつかれないうちに、静かに去りましょう。

Kai: イトウ先生。あなたはどこにいますか?。

 

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