エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Stealing the Mona Lisa」(2023 年 10 月)

 

 イタリアの画家、レオナルド・ダ・ビンチによって描かれたモナリザは世界で最も有名な絵画の一つです。皆さんはパリにあるルーブル美術館でそれを鑑賞する事ができます。この絵画はガラスケースと木製の柵で守られており、観客はそれに近づくことは出来ません。盗むのが不可能なことのように聞こえますが、1911 年の過去、何者かがルーブルからそれを盗難したのです。誰がモナリザを盗難したのか、そして、なぜ?。何が起こったのか探っていきましょう。

 ヴィンチェンツォ・ペルッジャという名の男がルーブル美術館に勤務していました。彼は設備員として働いており、モナリザにガラスケースを設置した事があると言われています。

 何が起きたか、一般的にはこのように言われています。

 1911 年 8 月 21 日、ヴィンチェンツォはルーブル美術館が閉館した時間にモナリザの所へ行きました。彼はその絵画を壁から取り去り、階段へと運びました。絵画とその額縁は約 90 Kg あったので、彼は他の人物と一緒に犯行を実施したのかもしれません。階段にて、彼は額縁から絵画を取り出しそれを彼の服の中に隠し、そうして家まで持ち帰りました。

 

 一方ルーブルでは、次の日までその絵画が盗難されていることに誰も気が付きませんでした。それが分かった時、皆大慌てしました。モナリザはその時代既に、大変有名な絵画だったのでそのニュースは世界中にすぐ広まりました。そしてまた、ヴィンチェンツォはどうして絵画を盗んだのか?。ヴィンチェンツォはイタリア生まれでした。彼はモナリザは彼の国から盗まれたものであると信じており、彼はそれを観る度にに考えていました。

 

モナリザはイタリアに居るべきなのだ。フランスにではなく!。」

 

 実際には、16 世紀にフランスの王が得たもので有り、それは盗まれたものでは有りません。

 ヴィンチェンツォは彼の住居に 2 年間モナリザを保管し、そうしてそれを売るためにイタリアへ行ったと考えられています。それを購入したいと言う画商を見つけたのですが、その画商はそれが本物かどうかを確信するために確認する必要がありました。それは、本物でした。そして画商は警察に通報しました。ヴィンチェンツォは捕らえられ牢に入れられました。

 

 しかしヴィンチェンツォは幸運でした。彼はモナリザをイタリアへ取り戻した英雄だと考える人もいました。それで彼はたったの 7 ヶ月で牢を出ました。モナリザの方はどうかと言うと、1914 年 1 月 にルーブルに戻るまで、イタリア中を旅しました。イタリアの人々はそれをその生まれ故郷で鑑賞することができ、大変に嬉しく思いました。

 この物語は 100 年前に起きたものですが、ヴィンチェンツォは良いことをしたと今でも考えるイタリアの国民は居ます。2011 年、彼の冒険を表現する演劇が、彼の故郷で上演されました。ほとんどの人々にとってはヴィンチェンツォは窃盗犯ですが、しかしある人々にとっては、彼は英雄だったのです。

 

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