エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Escaping the sahara」(2023 年 11 月)

 

 北アフリカサハラ砂漠は世界で一番広い高温砂漠です。それは暑く、大変に乾燥しています。もしそこで、皆さんがドライブしていてその車が故障したなら、どうしますか。このことはある人物に実際に起こったことです。今日は、彼の驚愕の物語を聴きましょう。

 1993 年、エミール・ルレイという名前のフランス人男性がタンタンと呼ばれるモロッコにある街から別の街へと車を運転していました。エミールは自動車が趣味の電気技師でした。彼はその日もクラシックカーを運転していました。タンタンを出発してすぐに、彼はモロッコの軍人たちに車を止められました。彼らはエミールに、前方で戦闘が起こりつつあるので、これ以上先にこの道を行くことはできない、と告げました。エミールは続けたかったので、ある一つのことを思いつきました。

 

「道を走らない、砂漠を通り抜けて走るんだ!。」

 

 車を反転させ、しばらくの間タンタンへと運転を続けたのち、彼は道を外れて砂漠の中に入りました。その後、彼の車は岩にぶつかり、ひどいダメージを負いました。彼はそれ以上少しも運転することは出来ませんでした。彼は道路には居なかったので、近くを通る人は誰も居ませんでした。もし彼が、歩いて灼熱の砂漠を通り抜けたなら、彼は死亡したでしょう。しかし、彼にはアイデアがありました。

 

「車のエンジンはまだ動く。そして、故障していない3輪のタイヤがある。バイクが作れるだろう!。そうして、タンタンまでそれに乗って帰ろう。」

 

 エミールは約 10 日間分の水と食料を持っていました。また、いくつかの工具も持っていました。エミールは彼の自動車を分解し、バイクを組み立てることを始めました。彼は太陽が彼を傷つけ無いようにするため、自動車の屋根と側面をテントのように使いました。12 日間の大変な作業の後、ついに彼のバイクが完成しました。それは速いわけではなく、運転するのも難しいものでしたが、うまく動きました。彼は考えました。

 

「やっと、この砂漠から抜けられるぞ!。」

 

 1 日後、タンタンへの路上で、警官たちが彼を発見しました。エミールはモロッコに彼のクラシックカーで入国したので、警官たちは彼がバイクに乗ることは許可できないと言いました。エミールは彼らに、何が起こったのかを話しました。エミールは彼の壊れた車を警官たちに見せるために、砂漠にもどりさえしました。しかしそれでもなお、彼は法を破ったことで約 500 ドルの罰金を払わなくてはなりませんでした。加えて、彼のバイクは取り上げられました。物事は順調に進んだというわけではありませんが、彼は砂漠を脱出できて幸運でした。結局は、彼は彼のそのバイクをフランスまで持ち帰ることができました。

 

 今は、エミールは北フランスに暮らしています。サハラ砂漠での彼の大冒険以来、彼は同じ車種の自動車から別のバイクを作ったり、ボートさえも作ったりしました。そしてもちろん、彼の生命を救ったバイクも、まだ所持しています!。

 

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