エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Becoming Muslim」(2024 年 1 月)

 

 みなさんの新しい友人が、かつてあなたの家族や友達を殺害する計画を立てていたとわかったなら、みなさんはどうしますか?。それでもなおその人物に親しく接することができるでしょうか。今日は、問題を抱えた怒れる男と、彼を支えたコミュニティーの驚くべき物語を私たちは聞くことになります。

 リチャード・マッキニーは 25 年間を兵士として過ごし、アフガニスタン及びイラクと戦っていました。このことにより、彼はすべてのイスラム教徒が敵であると信じていました。イスラム教徒がアメリカ合衆国に暮らしており、彼の住む小さな町にもさえ居ることが彼を悩ませていました。彼は、彼の娘の学校のクラスにイスラム教徒の少年が居るということを娘が話したとき、特別な怒りを得ました。

イスラム教徒はこの町に居るべきではないということを、私は皆に示すつもりだ。」

 そうして彼は彼の町の小さなイスラム教の礼拝堂を爆破することを決心しました。ある日、彼は礼拝堂へ向かい、とある嘘をつきました。彼はイスラム教を学びたいのだ、と言いました。しかし驚くことが起こりました。彼は礼拝堂に暖かく向かい入れられました。そして、人は彼にハグさえもしました。リチャードは、そこに居る人々が大変親切なことに驚かされました。その当時、リチャードはイスラム教徒に怒りを感じていました。そして、そのことだけが彼の持つ問題であるというわけではありませんでした。彼が兵士だった頃には親しい友人たちを持っていましたが、軍隊を退役後、かれは孤独を感じていました。時には彼は彼自身を殺したくなるような思いになることさえ在りました。リチャードの礼拝堂への訪問は、これらすべてを変化させました。

「モスクの人々は気持ちの良い人々だというそれだけです。彼らは本当に親しみが在り、そしてそれは私の人生に必要なものでした。」

 

 その後、リチャードは礼拝堂へ通い続けました。この、タトゥーを纏う大柄の男性を恐れて、通うのをやめる教徒も居ました。しかし、その礼拝堂を建立するのに尽力した人物の一人、ビビ・バーラミは親切であり続けました。彼女はリチャードを彼女の家の夕食になんども招待し、彼の身の上を聞きました。彼女は言いました。

「私は困難を持つ人、ストレスを抱える人、には、私達は親切になる必要が在ることを信じている。」

 リチャードが礼拝堂に通えば通うほど、彼は怒りが少なく少なくなりました。彼は新しい友人たちを得て、軍隊で戦っていた時の苦悩を彼らに話しました。礼拝堂の教徒たちが、礼拝堂を爆破するという彼の計画について知った時、彼らはそれを信じられませんでした。しかし、そのことについてリチャードと話しをした後には、教徒たちはどうして彼がそれほどに怒りを覚えていたかについて理解しました。始めてリチャードが礼拝堂を訪れてから一年しないうちに、リチャードはイスラム教徒になりました。彼はもう独りではありませんでした。

 

 現在、リチャードは国中を周り、彼の経験したことについてスピーチをしています。彼は言います。

「私の現在の大きな関心事は、ヘイトを止めるということです。」

 彼の地域コミュニティのイスラム教徒はリチャードに親切心を示し、またそれが彼の考え方を変化させました。今では彼は他の人々に対し、同じように考えを変化させるように感化しています。

 

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