エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Horse Doctor」(2024 年 1 月)

 

 病院にて、一頭の馬が廊下を歩いています。唐突に彼は歩みを止め、部屋に入り重病の患者のもとへと向かいます。病院で馬は何をしているのでしょうか?。この驚かされる馬についてもっと見ていきましょう。

 ペヨはセラピーホースです。彼は患者をより気持ち良くさせるためにしばしば「ドクター・ペヨ」と呼ばれます。この北フランスにある病院にて、ペヨと彼の調教師アセン・ブシャクールはほぼ毎日、患者の元へと訪れます。ペヨは立ち止まって脚を挙げることで訪れたい患者を選びます。アセンは言います。

「私はペヨと部屋の中に入りますが、彼が何をなすべきかを決めています。」

 ペヨが部屋に入る際、彼は患者へと歩き静かに彼の鼻先を近づけます。彼は患者たちとまるで会話をしているのと同じようなことです。患者たちはいつもペヨにさわります。泣く患者も在り、笑顔をする患者も居ます。これらの患者たちは重病であり、強い鎮痛薬を投与されています。ペヨが患者たちの元へ訪れた後には、時に彼らは痛みをより少なく感じることもあります。彼らはより良く睡眠が取れ、多くの薬も必要となくなりました。ある時には、もう歩くことができない患者がペヨのおかげで歩くことに挑戦しました!。科学者はどうしてペヨがこれらの力を持っているのかを見つけ出そうと試みています。

 

 病院には多くの病人が居るために、アセンはとても注意深くペヨを清潔に保っています。訪問の前にはアセンはペヨの洗浄に約 2 時間をかけます。

 病院で働く前にはペヨとアセンはホースショウに従事していました。アセンは毎回ショウの後にペヨが観客の群衆から誰かを選び、その観客の近くに留まるということをしました。アセンはどうしてペヨがこのことをするのか分かりませんでしたが、アセンはやがて、ペヨは病気の人を選んでいるのだと考えるようになりました。もしかするとペヨは誰かが助けを必要かどうかを知っているのかもしれません。ペヨの類まれな才能についてより多くがわかったのち、アセンはホースショウをやめてペヨと一緒に人々を助けることを決めました。

 ペヨの特別な力は患者が彼らの人生の最期に近いときに特に発揮されるものです。彼は何が起きているのか知っているように見え、患者たちに近づいてそばに居ます。ペヨは喜びと平和を、彼らの人生の最期の時間に居る患者たちに齎しています。

 

 ペヨとアセンは患者のために病院に訪れますが、医療従事者への援助もまた行います。

「アセンとペヨはチームの一員です。彼らは患者たちだけではなく、我々にも良くしてくれます。私たちは彼らがここにいるとわかると、幸せな気持ちになります。」

 2016 年以来、ペヨとアセンは 1,000 人以上の患者たちを助けてきました。アセンは言います。

「人生が終わりつつある人を看取り、そして彼らに ”心配しないで、幸せの中に天国に行けます。あなたが忘れられることは無いでしょう。” と伝える体験は他では得られないものです。」

 

プライバシーポリシー お問い合わせ