エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「A 400-Year-Old Treasure」(2024 年 2 月)

 

 2022 年 12 月、ニューヨークでとあるオークションがあり、エメラルドの指輪が 120 万ドルで売られました。それはただの質素な指輪なのですが、その緑の石はとても面白い物語をその背後に持っているのです。このエメラルドがそんなに特別な理由を、見ていきましょう。

 その物語は 1622 年に始まります。28 隻のスペイン船がキューバ島を発ち、スペインに向かっていました。それらの船のうちの一隻は、ヌエストラ・セニョーラ・デ・アトーチャ、アトーチャと呼ばれていました。それは 40 トンの金と銀を積み、30 キログラム以上のエメラルドを運んでいました。しかし、たった一日の航海の後に、その船はハリケーンに巻き込まれました。アトーチャは深刻な被害を受け、現在ではフロリダとして知られる場所の近海に沈みました。スペイン政府はその船の宝を捜索するために人員を送りました。しかし、他のハリケーンが同じ海域に直撃し、捜索をより難しいものとしたために、これは失敗に終わりました。360 年間の間、だれもその船を見つけることは出来ませんでした。

 1969 年、メル・フィッシャーという名の男性が率いるトレジャハンターのチームが、アトーチャとその宝を捜索することを始めました。沈没した古い船を捜索することは、高額の資金が必要です。メルは富裕層にそのプロジェクトに対して金銭的な援助を依頼しました。メルと彼のチームは 15 年間以上、その船を捜索しました。ついに、1985 年、彼はアトーチャを見つけたと発表しました。そのチームは海底から、4 億ドルの価値のある金貨、宝石、そしてその他貴重な物を持ち帰りました。フランク・パーデューという名の男性が、彼はこのプロジェクトに金銭的な援助をしていたために、これらの宝物の多くを受け取りました。フランクはこれらの宝物を博物館に寄贈しましたが、金貨とエメラルドは手元に置きました。のちに、フランクはそのエメラルドから指輪を作りました。そうして、彼はその指輪を彼の婚約者、ミッツィー、に、彼らが結婚する際に贈りました。

 ミッツィーは彼の夫フランクが 2005 年に亡くなるまで毎日その指輪を嵌めていました。2022 年、81 歳のミッツィーウクライナへの旅行ののち、その指輪を競りにかけることを決めました。ミッツィーは人を助けることはとても大切なことだと考えており、戦争で多くの人々が困難を経験しているのを見て、彼女は何かをしたいと思いました。彼女は考えました。

 

「私は資金を集めるのに私の指輪を使い、ウクライナの人々の大変な状況について人々に伝えることが出来るかもしれない。」

 

 オークションでは、6 万ドルくらいでそのリングが売られるだろうと人々は思っていました。しかし、それは 100 万ドル以上で売れました。ミッツィー非営利団体と共に、ウクライナから逃げてきた難民を支援するシェルターを建設する予定です。

 1600 年代、ある船とその宝物が海底に沈みました。今、400 年以上のち、その船から見つかったエメラルドは人々がより良い人生を送るための手助けをしようとしています。

 

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