酒呑童子は言いました。
「酒のつまみを、もってこい。」
そして、彼の使いが人の脚と腕を持ってきました。頼光は食べました。他の者もそうしました。酒呑童子は驚きました。頼光はその時言いました。
「酒があります。これをどうぞ。」
魔法の酒は旨く、酒呑童子を楽しませました。酒呑童子は言いました。
「私には、愛らしい少女どもが居る。私は、彼女らにもこの酒を飲ませてやりたい。」
池田中納言の娘と、そのほかの少女達が部屋に通されました。彼女達も魔法の酒を飲みました。頼光はそのほかの鬼に向かって言いました。
「この特別な酒を、我々と一緒に飲んでください。」
しばらくして、酒呑童子は大層多くの酒を飲み、酔いが回りました。酒呑童子は6人の男達と少女達を残して、彼の座敷に眠りに行きました。そのほかの鬼達も、眠りに着きました。
頼光は少女達に言いました。
「我々は鬼を討伐するため、そしてお前達を家に返すためにここに居る。酒呑童子が寝ている場所を教えてくれ。」
少女達は大変に喜び、言いました。
「これは夢に違いない。もちろん、私たちはそこに案内致します。」
そうして、6人の男達は彼らの鎧、武器を箱から取り出して身につけ、戦う準備をしました。
少女達は男達を寝ている酒呑童子のところまで連れて行きました。それは今では違う姿に見えました。髪は赤く、頭部から2本の角が伸びていました。長い髭を持ち、手足は熊の物の様でした。そのとき突然に、3柱の神様が現れました。
「我々がここに居る。我々は、酒呑童子の手足を部屋の角にそれぞれ縛りつける。酒呑童子は、動くことができないであろう。」
6人の男達は神様達にお礼をいい、鬼に切りかかりました。酒呑童子は目を覚まして叫びました。その声は雷鳴のようでした。しかし、6人の男達は酒呑童子より強かった。頼光は鬼の首を切り落としました。そのとき首は空に飛び、頼光に噛みついてこようとしました。しかし兜が彼を、護りました。
戦いののち、頼光はついに酒呑童子を討ち取りました。そのほかの鬼達は彼らの主が討伐されたのを見て男達に打ちかかってきましたが、それらも全て討たれました。
頼光は牢獄まで行き、大声で言いました。
「少女達よ!すぐに出ろ!。もう恐れる物はなにもなくなった!」
沢山の少女達が牢獄をでて頼光に会いました。彼女達はまるで祈るようにお互いの手を、握りました。6人の男達と少女達はすぐに白を後にし、山を降りました。すぐに、酒呑童子が討伐されたという情報が都に届きました。
多くの人々が6人の男達を歓迎するために男達の家に集まりました。池田中納言と彼の妻は娘に再び会うことができて、幸せに満たされました。天皇は労いの言葉を頼光に与え、6人の男達に多くの褒美を与えました。皆は頼光とその従者たちを永劫に、英雄とみなしました。
おわり。