Satoshi: おはようございます!。ヘアカットは必要ありませんか?。K'sサロンへどうぞ。当店は午前11時より午後9時まで営業しております。
Narration(Satoshi): この春、僕はヘアスタイリストの課程を修了して、K'sサロンと呼ばれる美容院で働き始めた。僕は未だヘアカットは出来ない。実は、洗髪すらまださせてもらえない。一度、床にある髪の毛を掃除したが、殆どの時間は、僕は駅前でチラシを配っている。
Friend: あっ、サトシ!。あなたでしょう?。
N(S): それは、僕の美容専門学校の友達だ。
F: あなた、K'sサロンで働いているの?。
S: そうなんだ!。
N(S): K'sサロンは、コースケさんと呼ばれる有名な美容師が経営している。僕はそこで働いていることを誇りにおもう。そうして僕の友達にチラシを渡したのだけれど…。
F: そこで働くなんて、へんよ!。
S: なんだって?。
F: ヘアカットをさせてもらえるまでに、少なくとも5年はかかるって聞いたよ。たくさんの人が、あの美容室では半年で辞めるんだって。
S: そりゃほんとうかい?。
F: そうよ。それにあの有名な美容師、コースケ…。彼は多分お店に来ることすらない、わよね?。彼は俳優やモデルさんの仕事でとても忙しいから。
N(S): 友達は正しいかもしれない。僕が働き始めて一月以上が経つが、お店でコースケさんに会ったことは一度もない。
F: 辞めるべきよ。
S: なんだって?、辞めないよ!。
F: あなたは、髪を散髪して整えたいんでしょう?。それとも、チラシを配るだけ?。
S: 判ってる。でも…。
F: わたしも美容室で働いているのよ。わたしはもうヘアカラーの助手もしているのよ。
S: ほんとう?!。それはとてもいいね!。
F: そうなの。もしあなたが私の勤める美容室に来たいのなら、店長に相談してみることできるよ。
N(S): 正直な話、僕は興味がある。僕はチラシを手から落としたのに気が付かないほど、興味を惹かれた。もし僕がK'sサロンに留まったなら、僕は永遠にチラシを配るのかもしれない。辞めるべきなのかも知れない…。
Kosuke: おーい!。何をしているんだい?。僕らのチラシ、落としちゃったね。気をつけて、大丈夫?。
S: はっ?。
F: あ…うーん、あなたは…。
S: コースケさん!。
K: 僕もよくチラシを配ったものだよ。でも僕は一度も落としたりしたことはない。僕はとても気を配って居た。で、チラシを拾うの手伝ってくれやしないかい?。
S: はい。もちろんです!。
N(S): 僕はコースケさんと一緒になりチラシを拾い始めた。
K: チラシ配りは面白くない、よね?。
S: うーん…。
K: 僕が見習いの時、僕もそう感じた。僕はヘアカットがしたいだけだ!。でも今は僕は、それをやってよかったなと思っているよ。
S: ほんとうですか?。
K: そうだよ。もし君がいい美容師に成りたいのなら、訓練をたくさん積まないとならない。それをするためには多くのお客さんが必要だ。
S: それでチラシ配りは大切なのか!。
K: そうだよ!。でも心配しなくていい。永遠にチラシ配りはさせないよ。さて、僕はいかないとならない。いい仕事してくれよ!。
N(S): そうして、コースケさんは去った。
F: ワオ。コースケさん、とてもいい人ね!。
S: そうだよ、ちがうかい?。
N(S): いま、僕は辞める必要がないと判った。僕はK'sサロンで働き続けたい。