エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Momotaro」(2021 年 2 月 放送)

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Narration: 或る日、男は彼の息子を寝付けようとしていた。

Father: 息子よ、お前はもう寝ないと。

Son: でもぼくは疲れていないんだよ。

F: もしお前が眠らないなら、悪いことが起こると思うよ。

S: たとえばどんなこと?。

F: 幽霊がお前の寝床のそばに現れるぞ。お前は怖がるよ。

S: ああ、おとうさん。おとうさんはほんとうばかだなあ。幽霊は現実の物では在りません。

F: そ、そうだな。彼らは現実の物では無い!。(自分自身に話しかけて)子供たちは全ての物事を知った気で居る。(息子に向けて)とにかくまあ、私はお前が眠れるよう、お前に物語を話すよ。
S: 物語?。物語を聞くのと眠りにつくのを同時に行う事はできないよ!。

F: もしお前が聞けば、お前は眠気を感じ始めるだろう。

S: へえ。うまくいかないと思うよ。

F: あーっ!、お話を聞くだけだよ。

S: (ためいき)わかりました。

F: よし、よし。私はお前に桃太郎の物語を話そう。むかしむかし…。

S: むかしむかし?。それは西暦何年?。

F: 私は知らないよ!。昔からある物語、ってだけだよ!。

S: はい…。

F: むかしむかし、小さな村で…。

S: 村?。何て言う名前の村?。

F: 私は知らないよ!。それはとある村、ってだけだよ!。名前は特に無いよ!。

S: はい…。続けて。

F: むかしむかし、小さな村で、老夫が彼の妻と一緒に暮らしていた。

S: 彼らの年齢はいくつ?。彼らの名前は何て言うの?。

F: 私は知らないよ!。彼らは物語の登場人物、ってだけだよ!。息子よ、聞くだけでいいんだ。

S: (ためいき)はい…。

N: 父親はやっと、物語を一通り彼の息子に話し終える。

F: 桃太郎は桃から生まれた。老夫とその妻は彼を発見し、彼を育てた。桃太郎は強靭な若者に成長し、猿、犬、鳥、と共に鬼ヶ島と呼ばれる島へ旅に出た。彼はそこに棲息する怪物と戦った。桃太郎はとても強いので、怪物は彼を恐れた。そして、桃太郎に特別な宝物を受け渡した。桃太郎はそれを老夫とその妻へ持ち帰り、彼らはその後ずっと、幸せに暮らしました。おしまい。

S: おしまい?。それだけ?。

F: はあっ?。どうしてお前はまだ起きているのだ。

S: 何故なら私は物語の内容を考えていたからです。桃太郎は強靭な若者についての話というだけでは在りません。本当に意味する物が、そこには在るのです。

F: どう言う意味だい?。

S: 村は名前を持たない、よって日本全土の子供たち全てはこの村は子供たち彼ら全てが住むそれぞれの村だと感じることが出来ます。

F: ああ、そうなの?。

S: そうです。そして桃太郎は桃から生まれた、合ってますよね?。

F: ああうん。

S: この事が意味するのは、子供たちは神からの贈り物だということです。そしてまた、鬼ヶ島と呼ばれる島は存在しません。島へ行くという事、は成長の象徴です。怪物と戦うという事、は人生は厳しく人々はその人生と戦わなくてはならないということを意味して…。で、おとうさん?。眠いの?。

F: (いびき)

S: ああ、見てよ。おとうさんは寝ている。親はまるで子供みたいだな!。

 

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