Reporter A: おめでとうございます、セキネ教授!。あなたはとても偉大な賞を受賞しました。ご感想を?。
Sekine: ありがとうございます。わたしはとても嬉く思います。
R A: 60年以上、河川の研究に人生を費やされたと聞いています。
S: ええそうです。しかし60年のようには感じられませんでした。
Reporter B: どうしてあなたは河川の研究を始められたのでしょうか?。
S: はい、それは面白いんですよ。なぜかというと私は新聞に載りたかったから、研究を始めたのです。
R B: 新聞に?。どのような意味なのでしょう?。
S: ご存知のよう、私が小学生の時にクズシロカズヨさんと呼ばれる女の子が私のクラスに居たのです。彼女はとても水泳が上手でした。皆は彼女はオリンピックに行けると思っていました。私も水泳は得意でしたが、彼女はもっと上手でした。
* * *
Kazuyo: イエイ!また勝ったよ!。
S: あーっ!。僕は男子で、君は女子。本当は僕が勝つわけなのに!。
K: きみにはもっと練習がひつようね、セキネくん。
S: しかし僕の家はびんぼうで。プールでの練習に使うおかねがないんだよ。
K: プール?。わたし、プールで練習してないよ。
S: ほんと?。きみはどこで練習してるの?。
K: 川よ、もちろん。
S: 川?。
K: 学校のうらに、練習にはさいこうの場所があるの。もし知りたいなら、わたしきみに、おしえるよ。
* * *
S: 日本に於ける河川は当時、大変清らかでした。そして私は川に、カズヨちゃんと練習に行きました。そうして、ある日…。
* * *
Man: 助けて!だれか、助けてくれっ!。
K: だれか、おぼれている!。
S: カズヨちゃん、あのひとおよげないんだ!。
K: わたしたち、あのひとたすけないと!。
S: でも、ぼくら子供しかいないよ。
K: やってみよう。おとなのひと探しに行って!。
S: でも…。
* * *
S: いつの間にか、カズヨちゃんは木の枝を拾い上げ川に飛び込みました。彼女は彼に向かい素早く泳ぎ、その男性に枝を手渡しました。私には誰かを探しに行く時間も、無い間に。
R A: そうして、カズヨちゃんは男性を救った?。
S: そうです。彼女は翌日の新聞に載りました。彼女の大きな写真も載りました。新聞には、
「子供が枝で男性を救助」と有りました。
R B: それを読んでどのように感じましたか?。
S: 私は誰かを救いたいと思ったし、新聞にも載りたい!と思いました。そうしてその日以来、私は川に毎日木の枝を持って行き、救助されるべき人を探していました。幸運なことに私を必要とする人はありませんでした。しばらく後、川が変化しているのを見ました。以前は清浄でした、しかし川はゴミや化学物質で汚染され始めていました。
R A: それが、あなたの研究の始まりですか?。
S: はいそうです。私は再び、川を綺麗にする方法を見つけたかったのです。
R A: そうして、あなたは実現しました!。あなたのもう一つの夢も、叶いました。あなたは今では新聞に載っています。
S: 60年かかりました。しかし、やりました。
R B: あなたは誰にこのニュースを伝えたいですか?。
S: もちろん私の妻へです。私はカズヨにお礼を言いたい。60年私と一緒に、居てくれて。
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