Dad: ねえ!。テーブルの上に漫画がおいてあるよ。片付けることはできないかい?。
Daughter: おとうさん。それは漫画じゃないよ。本だよ。
Dad: 本?。
Dau: それは、フランケンシュタインだよ。
Dad: フランケンシュタイン?。あの有名な物語だと君は言っているの?。
Dau: そうだよ。わたし大きくなったら、小説家になる!。
Dad: 小説家?!。
Narration(Dad): 僕はこれを聞いて驚いた。僕の娘は10歳だ。彼女が著名な小説を読むとは僕は知らなかった。僕は、彼女は漫画しか読まないものだと思っていたのだ!。
Dau: 19歳の女のひとがフランケンシュタインを書いたっていうことおとうさんしってた?。
Dad: それはほんとうかい?。
Dau: そうなの。その女のひとの名前は、メアリー・シェリー。イギリスのひと。
Dad: 彼女がこんなにすごい小説を書いた時にそれほど若かったとは、僕は知らなかったよ。
Dau: そのひとのおかあさんとおとうさんは、二人ともに作家だったの。おかあさんはそのひとが赤ちゃんの時に亡くなって、おとうさんはほかのひとと結婚。メアリーは新しいおかあさんは嫌いだったんだって。だから、ほんとうのおかあさんのお墓にまいにちおまいりにいってたんだって。
Dad: それはかなしいね…。
Dau: それで、メアリーはおとこのひとを好きになった。おとうさんはそのおとこのひとが嫌いで、だからメアリーとそのおとこのひとは秘密に結婚して、ひっこししたの。
Dad: 彼らは密かに結婚をした?。
Dau: そうなの。でもふたりはおかねをもっていなかったから、またおうちに戻ってきたの。メアリーのおとうさんはほんとうに怒ったんだって。メアリーはそのときにフランケンシュタインを書いたんだよ。
Dad: なるほど。うん…じゃあ君はメアリーみたいな作家に成りたいのかい?。
Dau: そうなの。おとうさんわたしが小説家になるのいや?。
Dad: いやいや。君は小説家になれる。しかし、君はメアリーのような状況では全く無いよね。君のお母さんと僕は作家では無いし。我々二人とも健康だし、君もボーイフレンドは未だ持たないし…待てよ。君には居るのか?!。
Dau: なに?!。
Dad: もし君がある日、密かに結婚をしたら、私は君に激怒するぞ!。でもそうしたら、君はメアリーのように成って、そして…。
Dau: おとうさん?。だいじょうぶ?。しんぱいしないで。わたしはまだ10歳だよ。結婚なんてとうぶんしないよ。いまは好きなひといないし。
Dad: ああ、よかった。
Dau: わたし、メアリーはかっこいいなとは思うよ。
Dad: かっこいい?。
Dau: そうなの。おとうさん、19歳のひとがこの本を書いたことにびっくりしたでしょう、ちがう?。
Dad: ちがわない。
Dau: わたしも、みんなを驚かせることができるような人になりたい!。
Dad: 僕は君が偉大な作家になると確信しているよ。世界を驚かせよう!。
Dau: ありがとう、おとうさん。
Dad: それで、君はこの本を読んでどう思ったんだい?。
Dau: そうだなあ、うーん…。かなしいはなし。なぜなら、かわいそうなフランケンシュタインを好きなひとはだれもいないから。
Dad: うん?。君は本当にこの本を読んだかい?。
Dau: うん…わたしまださいごまでよみ終えてない。
Dad: この本を読んだ人は、フランケンシュタインがモンスターを創り上げた科学者の名前であることを知っているんだ。
Dau: ほんとう?。それならその、おおきなかいぶつの名前はなんていうの?。
Dad: あのモンスターは名を持たない。
Dau: しらなかったよ!。
Dad: それで、どのくらいまで君は読んだの?。
Dau: うーん…。最初のページまで!。
N(D): 僕の娘らしいなと思う。もし彼女の夢が叶えば、僕は幸せだ。しかし今は彼女には、彼女の子供時代の全ての瞬間を楽しんでもらえたらなと、思う。