Husband: よし。理解したよ。明日の晩、僕はそこに行くんだね。教えてくれてありがとう。おやすみ。
Wife: お母さんから?。
H: うん。悪い知らせを受けたよ。僕の叔父が今朝、亡くなった。
W: それは、残念です。
H: うん。彼はまだ、50歳だったよ。
W: 50歳は若いね…。
H: 僕は葬儀の手伝いをする必要がある。だから、明日僕の地元に行くつもりだ。
W: わかりました。あなたの叔父さん、ご家族は居らっしゃるの?。
H: いや、居ない。彼は結婚は決してしなかった。彼はいつも言っていたよ、「僕は若くして死ぬだろう。だから、家族を持つつもりは無いんだ。」と。叔父さんは正しかったな。
W: 叔父さんは本当にそう言っていたの?。
H: そうだよ。僕の叔父はよく当たる手相占い師だったんだ。彼は、彼自身の未来も見えていたのかもしれない。
W: 手相占い?。手のひらに在る線を診ることで、人物を見通す、それのこと?。
H: そうなんだ。それでね、叔父さん僕に一度、手相の読み方を教えてくれたんだよ。僕に手を見せてみて。うーむ。ああ、これは面白い。君の頭脳線と生命線は交わっていない。
W: それは、悪いこと?。
H: ううん。それが一般的に意味するのは、君は創造的であり、ほとんどの人よりもすこしだけ違う考え方をする、ということだよ。
W: 私はすこし、変わり者かな?。
H: 僕はそれは納得がいくよ。君はプロのイラストレーターだ。君は創造的になる必要がある。
W: そうなのかもしれない…。
H: そして、この線は真っ直ぐだ。それが意味するのは君は正直者であり、またそして勤勉である、と言うこと。人生が難しい時でも、君は諦めることはしない。
W: 面白いね。そして、あなたはどうなのかしら?。
H: 僕?。そうだね、ここに短い線が在る。これは僕は、さほど感情を表現しないという意味がある。僕が悲しいのか、楽しいのか、人には分かりづらい時があるかもしれない。
W: 私は、それは正しいと思うわ。
H: そういうわけで、僕の叔父は僕に、もっと感情を表現しろと、言っていたっけ。
W: それなら、今あなたはどんな気持ちなの?。
H: 悲しいよ。勿論!。僕は悲しそうに見えないということかな?。
W: 心配しないで。悲しそうに見える。さて、私にあなたの手相を読ませてね。
H: 君は手相の読み方を知っているのかい?。
W: ほんの少しだけね。うむむ…ああ、あなた、これからすぐに、驚くことがあるわ。
H: 冗談かい?。今日は冗談を言うのに向いた日じゃないよ。
W: ううん、手相はこう言っているわ。あなたは来年、赤ちゃんを得るでしょう、って。
H: 君はなんの話を?。
W: 赤ちゃんは、1月20日前後に生まれるでしょう。
H: まって!。君が言っているのは…僕らにはできた…赤ちゃんが?。
W: そうなの。今日私は病院に行きました。そしてお医者さんがそれを私に教えてくれたの。それで、あなたはどう感じる?。幸せ?。
H: ぼ、僕は言うべき言葉を知らない。
W: あなたの叔父さん、あなたの感情をもっと出すんだよってあなたに言わなかった?。
H: そうだね。うん、僕は幸せだ!。これは、すごいぞ!。
W: それならどうして、あなたはそんなに悲しそうな顔しているの?。
H: ごめんね。叔父さんに赤ちゃんのことを言えないのがとても、悲しい。
W: うん。人が亡くなる時、人の魂が新しい赤ちゃんに宿ると考える人も居るわ。この赤ちゃん、もしかしたらあなたの叔父さんの魂を持つのかも、しれないわね。
H: 僕の叔父の、魂。ああ…。
W: それでね、あなた、お父さんになるの楽しみじゃない?。
H: 勿論、そうだよ。我々の赤ちゃんに会うことを、待つことができないよ!。