Narrator: メロスは激怒していた。彼は市内へ、二年ぶりに訪れていた。すべてが変わっていた。彼は老人に何が在ったのかを、尋ねた。
Old Man: 王だ。王は臣民を殺す。王はすべての臣民が危険な思想を持つと盲信している。それで、彼は処刑した。彼の娘婿を、そうしてまた、彼の実の息子を。彼は王妃さえも、処刑した。
Melos: 王は精神を亡くしたのか?。
O M: 違う。王は何物も、何人も、信じることが出来ないだけだ。そうして王は、全ての豊かな者に対し、その者たちの家族の内の一人を城に差し出せと命じた。もし彼らが誰も差し出さないとしたなら、王は彼らを処刑するだろう。今日も、十字架に貼り付けられ、六人殺された。
M: 私は、それを信じることが出来ない!。
N: メロスは王を止めるために向かった。しかし城にて、彼は兵士達に取り押さえられた。兵士達はメロスの持つナイフを見つけ、そのためメロスを王の元へ引き連れた。
King: お前は何故このナイフを持っているのだ。
M: 私はこの市を暴君から救うつもりだ。
N: 王は笑った。それは悲しい笑いであった。
K: お前は私を知らぬ。
M: そうだ、わたしは知らない。しかし私は、お前が人民を信じない為に彼らを処刑していると聞いた。もし臣民を信ずることができないのなら、お前は良い王に成ることは出来ない。
K: 私の民?。私の民が私をこのようにさせたのである。私は何も信ずることが出来ないのであるということを、人民は教えてくれた。私も平和を望む。分かるであろう。
N: メロスが笑う番だった。
M: 平和?。お前が気に掛けている全ての事は、王で在る為の事であろう。
K: だまれ!。私がお前を十字架に貼り付けた時、お前は泣いて詫びを口にするだろう。自分の命を守る為なら、どんなことでも言うだろう。
M: 私は死ぬ覚悟が出来ている。しかし…私はお前に頼む、私を三日間生かしておいてくれと。私には結婚を控えた妹が居る。彼女は私のたった一人の家族だ。私は彼女の結婚式が終わったのち、戻ると約束する。
K: お前は私が馬鹿だと思っているのか?。もし鳥が逃げたとしたなら、それは決して戻っては来ない。
M: もし、私が三日目の日没の前までに戻らなければお前は、私の親友を殺すことが出来る。彼の名は、セリヌンティウスである。彼は私を信頼している。
N: 王は危険な笑みを浮かべた。王はそれは、人民という物が信じることが出来ない物であると言うことを皆に示すための完全な機会だと考えた。
K: いいだろう。お前は三日間を得る。ところでもし、お前が日没後に戻って来たとしたならば、私はお前を殺さない。
M: 日没後だと?。その時には、私の親友は死んでいるだろう!。
K: その通りだ。もしお前が生きたいのであれば、遅れて来るといい。
N: メロスの友人、セリヌンティウス、は城に連行された。メロスは全てを説明し、二人の故友はお互いに抱き合った。満天の星の夜空の元、メロスは走り始めた。