Narrator: メロスは一晩中走り、彼の村にたどり着いた。メロスの妹は彼が、大変疲労している事、汚れていることを見て驚いた。彼女はメロスに何が起こったのか尋ねた。
Melos: 全ては大丈夫だが、私は市内に速やかに戻らなければならない。よって明日、お前の結婚式を開催するつもりだ。皆に伝えに行ってくれ。
N: メロスは疲労していたが、しかし彼は結婚式の準備をした。それを終えた時、彼は床に倒れ込み眠った。結婚式は、王に対する彼の約束の二日目の正午に始まった。しかし、式が終わる前に、空は暗く変わり、雨が降り始めた。ある者は思った…。
Villager: 悪い兆候に違いない…。
N: それでも人々は歌い、踊った。メロスは、王に対する彼の約束についてを、しばしの間忘れさえした。しかし、彼は約束を思い出し、思った…。
M: 私の肉体は私だけのものではない。友人が私を待っている。
N: そうして、彼は幸せに包まれた妹を見つけ、そして言った…。
M: おめでとう、私の親愛なる妹よ。私は今は寝るつもりだ。私が起きた際には、私は急いで市内へ戻らねばならない。しかし、お前は悲しみや寂しさを感じる必要は無い。今や、お前は優しい夫を得た。お前も知っての通り、私は、嘘をつく人物、お互いに信じることのできぬ人物を好まない。それを覚えて居ておいてくれ。また、お前の夫には決して秘密を持たないで居てくれ。
N: メロスは三日目の早朝迄、眠った。未だ雨が軽く降って居たが、しかし彼は弓矢の如く、雨の中を走った。メロスは思った…。
M: 私は今夜処刑される。私は自分の死に向かい、走っている。しかし私は、私の一番の友のために、走らなければならぬ。
N: メロスはもうこれ以上走ることが出来ないと、幾度も思った。しかし彼は自分自身に言った。「お前はやれる。」そして、走り続けた。太陽が高く登り、正午近くに雨は止んだ。メロスは今や城までの中頃に居た。しかし彼は突然に、川の前に立ち止まった。
M: ああ、だめだ!。橋が失われている!。
N: 川は多くの雨により、とても速く流れていた。メロスは空を見上げ、叫んだ。
M: お願いです、神よ。川の流れを遅くしてください。私は日没前に城まで戻らねばなりません。然もなくば、わたしの友が死ぬのです!。
N: しかし、川はさらに速くにさえ成った。メロスは選択の余地を持たなかった。彼は川を泳ぎ渡らねばならなかった。
M: 私を見てください、神よ!。私の、愛と誠の力は、川のこの速い流れにも打ち克つのです。
N: 川の浪は百匹の大蛇のように見えた。しかしメロスは飛び入った。水に逆らい泳ぐことは、彼の全ての活力を奪った。神も彼を憐んだのかも知れない。水は彼を反対側の岸に押し進めた。
M: 神よ。感謝します。
N: 太陽は西の空に向かい、動き始めて居た。メロスは急がなければならなかった。そのとき突然に、幾人もの山賊がメロスの目の前に飛び出した。
Robber: 止まれ!。