Daughter: もういいかい?。
Father: まあだだよ。
D: まだあ!。そんなにながくなにやっているの?。
F: おーい、みちゃだめだよ!。目を閉じて、10数えて。
D: はい、はい。そうします。いち、にい、さん、しい…。
Narration(Daughter): わたしはおとうさんと公園にいる。わたしたちはかくれんぼをしている。おとうさんは隠れるのがほんとうにじょうずだから、おとうさんを探すのはいつもむつかしい。
F: もういいよ!。
D: よーし!。さがすよ!。
N(D): おとうさんはまえ、ベンチの下に隠れていた。だからこんどは大きな木のうしろに隠れているかもしれない。
D: おとうさん?。そこにいるのしってるよ。でてこい!。
Old Man: しーっ!。
N(D): そのときとつぜん、わたしはおおきなカメラを持つおじいさんをみつけた。
D: あっごめんなさい。わたしはわたしのお父さんを探していました。
O M: ああ良いんだよ。かくれんぼしていたの?。
D: そう!。
O M: 僕も隠れんぼをして居るんだ。
D: おじいさんも?。おじいさんは誰からかくれてるの?。
O M: じつは、隠れている訳じゃなくてね。僕は、探して居るんだ…僕の友達をね!。
D: でもおじいさんは、かくれているように見えるよ。もしおじいさんがお友達をさがすのなら、いろんなところに歩いていっていろんなところさがさないと!。
O M: そうだなあ。君のお友達を探す為には、いつでも歩き回るという必要は無いんだよ。もし、君が待っていれば、時には君のお友達が姿を現すこともあるんだよ。
D: よくわからない。
O M: 分かるかな。隠れんぼというのは、待つ遊びなんだ。一番長い間待つことのできる人が勝者だ。
D: まつあそび?。
O M: 隠れて居る人は音を立てること無しに、待つ。しかし永遠に静けさを保つのは、無理だ。
D: あーそうかあ。じゃあおじいさんは、おともだちが音をたてるのをまってるんだね。
O M: そうなんだ。僕が音を聴いた時、僕は僕の友達がどこに居るかが判る!。僕はこうしていつも、勝つよ。
D: ほんとう?。
O M: うん、そうなんだ。試してごらん。眼を閉じて、君の周りの音を注意深く聴く。
D: うん。
N(D): わたしは息をとめてみた。ぜんぶがとってもしずかになった。そしたら…。
(カメラの音)
O M: 君はそこだ!。君を見つけたよ!。
D: あれはなに?!。
O M: あれは鴫だよ。鴫は普段水辺に暮らして居る。だから、街で見かけるのはとても珍しい。
D: しぎ?。どんなふう?。
N(D): おじいさんはカメラのがめんを見せてくれた。ながいくちばしの小さな鳥とわかった。
D: おじいさんは鳥とかくれんぼをしていたんだね?。
O M: そうなんだよ。鳥はほんとうに隠れるのが上手でね。
D: じゃあ鳥とかくれんぼしたらきっとたのしいね。
O M: ちがいない!。よし、僕は行かないと。お父さん探しの幸運を、祈ります。
D: ありがとう。ばいばい!。
N(D): おじいさんは待って、鳥をみつけた。もしわたしももうちょっと待てば、おとうさん見つけられるかもしれない。
F: はっくしょん!。
N(D): わたしはすぐにうえを見る。
D: ねえ!。おとうさんでしょ?。みつけた!。木のなかだ!。
F: あー、だめだ!。君は僕を見つけた。いい隠れ場所を見つけたと思ったんだけどなあ!。
D: わーい!。わたしのかち!。
N(D): ありがとう、やさしいおじいさん。わたしはおとうさんを見つけて、このかくれんぼで勝ったよ!。