エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Click-Clack Mountain ~Part Two~」(2020 年 8 月 放送分)

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 むかしむかし、お爺さんと彼の妻が暮らしていました。悪い狸が彼らの畑の野菜をいつも食べていました。ある日、お爺さんは狸を捕まえました。彼は狸を縄で縛り、家まで連れ帰りました。しかし狸はお爺さんの留守中にお爺さんの妻を殺害しました。お爺さんは大変悲しみ彼の、兎である友達にそのことを話したのでした。兎はそのことについて、或る事を実行することを決めました。彼は狸に、彼と一緒に薪を集めに行こうと頼むのでした。

 

 彼ら二人はたくさんの薪を集め、彼らの背中にそれを縛りあげました。狸は兎の前を歩き始めました。彼らが川の側を歩いている間、狸は音を聴きました。

 彼は言いました。

 

「兎さん、カチカチとした音が君には聴こえるかい?。なんの音だろうか?。」

 

 兎は言いました。

 

「わからないな。カチカチ鳥がカチカチ山の歌を歌っているんじゃないかな。」

 

 しかし、実はそれは兎が二つの石を火付けに使っている音でした。

 しばらくして、狸の背中の薪は燃え始めました。狸は尋ねました。

 

「兎さん、何かが燃える匂いがしないかい?。」

 

 兎は答えました。

 

「カチカチ鳥の匂いだよ。」

 

 その時、狸の背中の全ての薪が、本当に燃え始めました。

 

「あう!あう!おおっ!。」

 

 狸は走り、川に飛び込みました。しかし、彼は彼の背中にひどい火傷を負いました。

 明くる日、兎は家で味噌の塗り薬を幾らか作りました。その時、狸が来て言いました。

 

「昨日は本当に大変な日だったよ。」

 

 兎は言いました。

 

「うん、そうだったね。君の背中はどうだい?。火傷に効くいい薬を、僕は持ってるんだよ。」

 

 そして、彼は味噌を幾らか狸の背中に塗るのでした。ただし、味噌の中には唐辛子が入っていました。狸は泣きながら家に走りました。

 

「あう!あう!痛い!。」

 

 数日後、兎は浜に、木から舟を作りました。狸は立ち止まり、これを見ました。兎は言いました。

 

「僕はこれで海に魚を獲りにいくんだよ。君も一緒に来たくはないかい?。」

 

 狸は言いました。

 

「もちろん、僕も君と行くよ!。」

 

 兎は言いました。

 

「僕の舟は小さいから、君も作ろうよ?。地面を掘って、泥から舟を作れるよ。」

 

 狸は頑張って泥から舟を作りました。そうして、彼ら二人は彼らの舟で海へ出ました。

 しばらくして、狸の舟は分かれて壊れ始めました。彼は叫びました。

 

「ああ、だめだ!。」

 

 しかし、それは遅すぎました。彼は彼の泥舟と共に海の中へ向かい始めました。兎は言いました。

 

「これで君は二度と誰かを傷つけることはないだろう!。」

 

 狸は海の底へ沈み、二度と上がる事は有りませんでした。

 

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