Mami: あっやだ!。梅干し?。
Koji: どうしたの?。
M: おにぎり買ったんだけれど、何か具が入っているものだとは思わなかったの。でも梅干しが入ってた!。
K: 君は梅干し嫌いなんだ?。美味しいのに。どうして苦手なの?。
M: うん、酸っぱいからさあ…。
K: 他にも酸っぱい食べ物は多くあるよ。例えばレモンとか。
M: レモンは好きよ。梅干しの酸っぱみとレモンの味では全然違うよ。それとさ、梅干しは柔らかすぎるのよ。
K: 硬いタイプの梅干しもあるよ。人参みたいにカリカリしたやつ。
M: うんわかる。でも、それもわたし苦手なのよねえ。
K: そうかあ、僕は梅干しは人生の喜びのうちの最高の一つだと思うんだけどなあ。
M: あなたそんなに梅干しのことを重要なものだと思ってるの?。
K: もちろんだよ!。僕は梅干し大好き。僕はそれ無しでは生きていけない!。僕は君のためにもいいものだと思うよ。梅干しは多くのミネラル分を含んでいるから。
M: うむむ。あなたのご家族、梅干し農家?。
K: ううんちがう。どうしてさ?。
M: だってあなた私に梅干し売ろうとしてるみたいよ。それかあなた、占い師?。わたしが梅干し嫌いなことで将来が不幸せになるという未来がみえたわけかな?。
K: そういうわけじゃ…。
M: それならさ、なんでほっといてくれないのよ?。
K: うーん。どうしてそんなに機嫌悪いのさ?。
M: おこってないわよ。わたしは、誰かがわたしに幸せになるにはどうしたらいいかを言ってくるのが、苦手なだけなのよ。
K: わかった、わかりました。さて話題をかえてさ。今週の土曜日おひま?。
M: うん、だいじょうぶだよ。
K: それならデートしよう。僕の友達がさ、彼の車を貸してくれるって言ってた。
M: いいね!。
K: どこか遠出できるよ。例えば、海とか山とか。
M: じつはさ、わたしほんとうに行きたいところがあるんだあ。
K: どこだい?。
M: 海岸のほとりにさ、新しい音楽ホールがあるの。そこでクラシックの音楽会が開かれてるの。音楽ホールは綺麗なの、でも車が必要でさあ。そこに行ける、かなあ?。
K: うん、うむむ…。
M: いきたくなあい?。
K: じつは…。僕はクラシック苦手なんだよ。
M: なんでっ?!。あなたクラシック好きじゃないんだ?。
K: 僕はクラシックを聴いていると眠くなってしまうよ。それに、チケットは高いし。ロックやジャズのコンサートの方にむしろ行きたいなあ。
M: クラシック音楽は人生の喜びのうちの最高のひとつよ。
K: ありえない!。僕はクラシック無しでも最高に幸せな人生だよ。
M: クラシック音楽が貴方の人生と共に在るならば、より貴方の暮らしは豊かなものになるわ。
K: なんでそうだと判るの?。僕は君が梅干しが好きだとしたなら、君はもっと幸せになれると思うよ。
M: また梅干しの話をする?!。
K: 君がまた「人生の喜び」の話を始めたからだろう!。
M: (ためいき)
K: うん、さて。こうしてはどうだろう?。僕は君と一緒にコンサートに行く。
M: そうしてくれるんだ?。
K: うん。そして君はこれを食べてくれるかい?。これは僕の好きな銘柄の梅干しなんだ。蜂蜜が入っていて、甘い味わいがある。
M: うん…。ためしてみるか…。むむむ?。これはさいこうに美味しい!。もっと食べていい?。
K: もちろん。でも全部食べないでね、僕にも残しておいてね!。