エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Pillow Book Part Four ~Finale~」(2020 年 10 月 放送分)

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こころが憂鬱になるもの。

 

 多くの人が、人に嫌われることを望まないと思う。すこし変わり者さえ、嫌われることは望まない。しかし人を嫌いか好きか、ということは人間にとって自然なことである。そのことは仕事でも、家族の中でさえも存在する。それは悲しいことである。

 もし両親が彼らの子供を愛していたなら、人々はその子供のことをまた愛をもって接する。身分の高い家族の子供ならそれは尚更で、低い身分の子供に対してでもそれは真実だ。もしその子供の容姿が良かったなら、その子供を愛さない親は存在するだろうか。そしてもし、特に取り柄のない子供がいた場合両親は、”だれもこの子のことを愛さないだろう。だから私たちができる限りの愛を注ぐのだ。”と思うだろう。愛情は両親から受け、職場の誰かから受け、誰か近しいひとから受ける。誰から愛されているのか、というのは大した問題では無い。愛されるということは、最高に素晴らしいことだ。

 

男性はミステリアスだ。

 

 男性は最も奇妙な考えかたをする。彼らは美しい女性と別れて醜い女性と結婚したりする。それは奇妙だ。宮中に仕える男性なら、たくさんの綺麗な、彼らのことを愛してくれる女性を選べばいい。もしその女性がベストだとおもったなら、高貴な家柄の女性だとしても気にせず、その人が一生愛するべき女性だとしたらいいのに。一般的に男性は、まだ会ったこともない女性でも、綺麗だと言われている女性と結婚したがるように見える。しかしながらどうして男性は、女性の眼から見て魅力的ではない女性を愛するのだろう?。

 私は綺麗で親切な、たくさんの女性が男性に手紙を書くのを観てきた。彼女たちは上手な文字を書き素晴らしい詩を詠む。時々彼女たちは手紙に不平を書く。しかし男性たちはからっぽの約束を返して来る。こうした女性たちを見捨てて新しい女性の方へ行ったりするのを見るのは悲しいしがっかりして憂鬱になる。誰の目にもこれはよくないことだというのは明らかだ。けれども男性たちは彼ら自身がそれをしているとは気づいていない。彼らはこの心苦しさを彼女たちに対して感じさせていることを理解していない。

 

誰かが他人を悪く言うのを聞いた時。

 

 他の人の悪口を言っているのを聞いた際に怒る人、の事を本当に理解できない。誰もそれはやめられない。自分だってそうだ。どうやってそれをしないでおけるのだろうか。それは悪い事だとはわかってはいる。自分が悪口を言ったことをその人が聞き、その人に嫌われてしまう事も、よくある。そこまでして悪口を言う価値はないのではないかなとも思う。もしその話がよく知るひとについての事だったなら、”彼に悪いな。”と思って、自分の中に収める。もしそうでなかったならそのひとの事についての話に参加し、それを笑いもするだろう。

 

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