その妹と兄は、お互いを見合わせました。アキは彼の妹に言いました。
「今夜から、私たちは立場を入れ替えよう。お前が私になり、私がお前になる。」
ハルはこれを聞いて大変驚きました。彼らは話し合い、それが一番の解決法だと決心しました。そうして、彼らは入れ替わりの準備をしなくてはなりませんでした。彼らはお互いに彼らの人生について教え合いました。昼のあいだ、ハルはアキに宮中の人間のことについて話伝え、また笛の奏法を教えました。夜のあいだ、アキはハルに琴の奏法を教え、また彼のような文字を書くやり方を教えました。ハルは特別なお願いをアキにしました。彼女は言いました。
「私のために、フユの世話をお願いします。彼女を貴方の妻として愛してあげてください。」
アキは応じました。
彼らの準備が整った時、アキは洛中にハルとして戻りました。人々は彼に再び会えて、大変喜びました。フユだけは違いました。彼女の夫は彼女が違う男の子供を持っていることを知っていました。彼女は彼の前でどのように振る舞ったら良いのか分かりませんでした。しかし、アキは優しく言いました。
「変わりはありませんか、私の妻よ?。貴方はいつでも、美しい。」
フユはこのような甘美な言葉を聞き、驚きました。彼女は彼女の夫が以前と少し違うことを感じましたが、彼女は彼女の夫が戻ったことで幸せでした。
泣きながら、ハルは彼女の息子を諦めました。そうして彼女は宮中に向かい、アキとして務めました。人はその変化に気がつきませんでした。アキは今では少し快活になり、少し彼女の受け答えが早くなったと人は考えるだけでした。そうしてある日、新しい帝がアキ、嘗てのハル、に会い、恋に落ちました。帝は彼女にまた、プロポーズをしました。父親はどのようにして断る事が出来ましょうか?。アキは今回は本当の女性でした。彼は喜んで同意しました。彼の娘は帝と結ばれ、多くの子供たちを産みました。
11年が過ぎ、ハルは宮中で皇后のアキとして生きていました。ある日、彼女は彼女の子供たちのうちの一人と遊んでいる少年に気がつきました。ただちに、彼女はそれは彼女の初めての息子だと分かりました。彼女の息子は美しい子供に成長していました。彼女は彼を近くに呼び、言いました。
「私はお前の母親を知っています。お前は母は死んだと聞かされていますがしかし、彼女は私の心の中にいつでも生きています。もしお前が彼女に会いたくなったなら、私に会いにここに来なさい。」
少年の目には涙が在りました。ハルその少年を彼女の腕の中に掴みたかったのですが、彼女はそれをしませんでした。彼女は静かに歩き、離れていきました。
この物語は、彼らの人生を正反対の性別に生きた妹と兄の物語でした。しかし最後には、二人とも彼ら自身の運命の中に幸せを見つけました。